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旅ールのすすめ - ビールに会いに旅に出よう

山片 重嘉コウゴ アヤコ 1978 年東京生まれ。看護師を経て、旅するビアジャーナリストに転身。旅とビールを組み合わせた「旅ール」(タビール)をライフワークに、世界各国の醸造所や酒場を旅する。ドイツビールにほれこみ1 年半ドイツで生活したことも。「ビール王国」(ワイン王国)、「ビールの図鑑」(マイナビ)、「BRUTUS」(マガジンハウス)など、さまざまなメディアで活躍中。
www.jbja.jp/archives/author/kogo

ワーグナーと味わいたいバイロイトのビール

バイロイトは、バイエルン州の北部フランケン地方に位置する歴史的な都市。2012年にユネスコの世界遺産に登録された辺境伯歌劇場や、贅を尽くした新王宮などのバロック様式の豪華絢けんらん爛な建物がある一方で、街の中心を外れると自然豊かなエルミタージュ庭園や緑地が広がる美しい街だ。

バイロイトは作曲家リヒャルト・ワーグナーと深い関わりがあることで知られている。ワーグナーは生前この地に住み、理想の劇場「バイロイト祝祭劇場」を建設した。当時としては革新的な音響設計が施され、現在でも世界最高峰のオペラハウスの一つに数えられている。毎年7月下旬~8月下旬 にかけての4~5週間、このオペラハウスで「バイロイト音楽祭」(Bayreuther Festspiele)が開催。ワーグナーのオペラのみを上演する音楽祭で、世界中からワグネリアン(ワーグナー愛好家)が訪れる。

バイロイトには、フランケン地方のビール文化が色濃く残る。新進気鋭の醸造所から老舗まで幅広く、ビール好きにはたまらないエリアだ。この街に来たのなら、リヒャルド・ワーグナー通りにあるレストランSchinner Braustubenに立ち寄りたい。ビールと共にジビエ料理などの郷土料理が楽しめ、地元客や音楽祭参加者にも人気。創業は、ワーグナーも活躍していた1860年。かつてはビールを自家醸造していたが、現在は提携醸造所にて委託醸造され、当レストランやほかの地元店で提供されている。委託醸造となってからも地元産ホップや麦芽を使用し、伝統的なレシピを守りながら造られている。この味をワーグナーも飲んだかもしれないと想像すると心が躍る。

「Edel-Weisse」は、噛みしめたくなるような穀物の甘味と熟したバナナのようなフルーティーさ、少しのスパイシーさが特徴。豊かな香りや旨味が積み重なり、ワーグナーのオペラのように優雅で深い余韻をもたらしてくれる。

www.schinner-bier.de

vol.103
Edel-Weisse

Edel-Weisse

 
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