冬を彩る南ドイツ伝統の小麦ビール
バイルン州エルディング近郊のグリューンバッハに拠点を置くグリューンバッハ城醸造所(Schlossbrauerei Grünbach)は、ヴァイスビール専門の伝統的醸造所。地域に根差した醸造所として、長年にわたりバイエルンのビール文化を支えてきた。
ヴァイスビールとは、原料の50%以上に小麦麦芽を使用する南ドイツ発祥の上面発酵ビールだ。同じ小麦麦芽を使用したビールでも、「ヴァイツェン」と「ヴァイス」、2通りの呼び方が存在する。ヴァイツェン(Weizen)とはドイツ語で小麦の意味。一方のヴァイス(Weiss)は白色のことで、白濁した外観からそう呼ばれている。南ドイツとオーストリアの一部地域で造られたものはヴァイス、それ以外の地域のものはヴァイツェンと呼ぶのが習わしだ。
グリューンバッハ城醸造所は、南ドイツで伝統的な小麦ビールを造っているので、ヴァイスビールだ。同醸造所の創業は古く、1723年に公式な醸造権の記録が残る。しかしその起源は、1500年頃にフランシスコ会の修道士が村に定住した時代までさかのぼると考えられている。修道院文化の影響を受けながら発展したヴァイスビール造りは、18世紀後半に醸造家ベンノ・シャールの活躍により大きく飛躍した。その後も幾多の困難をへて、2013年にはバイエルン州東部モースの醸造所アルコブロイと提携。醸造所名の由来であるグリューンバッハ城が、かつて同家系のモース伯爵家の所有であったという縁も、この協力関係を後押しした。
「ヴィンターヴァイセ」(Winter Weisse)は、10〜3月限定で販売される特別なビール。寒い季節に合うように設計されたフルボディで、しっかりした味わいと、やや高めのアルコール分が特徴。バナナや洋ナシを思わせる酵母由来の香りと、麦芽の香ばしさが調和した濃厚な味わい。冬の定番として親しまれている。
vol.110
Winter Weisse
スタイル:ヴァイスビール
原材料:小麦麦芽、大麦麦芽、ホップ
アルコール度数:5.7%

| 醸造所名 | Schlossbrauerei Grünbach bei Erding GmbH(グリューンバッハ城醸造所) |
| 創業年 | 1723年 |
| 住所 | Kellerberg 2, 85461 Grünbach |
| その他のラインナップ | Altweisse Gold、Altweisse Dunkel、Benno Scharl、Alkoholfreie Weisse、Leichte Weisse |
| URL | www.gruenbacher-weissbier.de ●通販不可 |



インベスト・イン・ババリア
スケッチブック

コウゴ アヤコ
東京生まれ。看護師をへて、旅するビアジャーナリストに転身。旅とビールを組み合わせた「旅ール」(タビール)をライフワークに、世界各国の醸造所や酒場を旅する。ドイツビールに惚れ込み1年半ドイツで生活したことも。『ビール王国』(ワイン王国)、『ビールの図鑑』(マイナビ)、『BRUTUS』(マガジンハウス)など、さまざまなメディアで活躍中。






