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Oliver Was­ser­mann
Di. 17. Sep. 2019

ビオワインの世界 11 ビオディナミ基礎講座 4

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今回は、502番から507番までのプレパラートをご紹介しましょう。これらは基本的にコンポストの改良用です。中には、薬草としてよく知られた植物もあり、相性の良い動物の臓器を用いて効果を高めたりします。いずれも人間による自然観察の蓄積をシュタイナーが体系化したもの。500番台であるのは、現在の地球の文明がアトランティス文明以後、第5番目に相当するからだそうです。

ノコギリソウの花(502番): ノコギリソウは頭状化植物で、光のエネルギーを活用する能力に優れています。また、適量の硫黄を持ち、理想的な形でカリウムと結合しています。摘んだ花を雄鹿の膀胱に詰め、夏は光にさらし、冬は土中に埋めてできたプレパラートを堆肥に混ぜると、硫黄とカリウムの結合バランスが取れ、植物の成長プロセスを助けます。

カモミールの花(503番): カモミールの花は、粘膜、胃腸の炎症を癒すハーブとしても知られています。カモミールも適量の硫黄を持ち、カルシウムとの結合力に優れています。摘んだ花を雌牛の腸に詰め、冬の間、土中に埋めて腐敗させて得たプレパラートを堆肥に混ぜると、植物の耐性が強まります。

セイヨウイラクサ(504番): イラクサは窒素が過剰な土壌などに生え、その土壌成分のバランスを整える植物です。集めたイラクサは6月から1年間、ピート(泥炭)で囲むようにして土中に埋めます。できたプレパラートを堆肥に混ぜると、余分な鉄分や窒素を土壌から取り除いてくれます。

オークの樹皮(505番): オークの樹皮はカルシウムとタンニンを多く含みます。カルシウムはカビ菌の成長を抑制し、タンニンには殺虫効果があります。樹皮は細かく砕いて家畜の頭蓋骨の中に詰め、冬の間、水が流れ込みやすい場所に埋めます。腐敗したプレパラートを肥料に混ぜると、カビ菌の予防効果が強まります。

セイヨウタンポポの花(506番): タンポポは適応性のある強靭な植物です。その綿毛部分は細かな珪石を含む細胞から形成されています。摘んだタンポポの花を干してから牛の腸間膜で包み、冬の間、土中に埋めます。できたプレパラートを堆肥に混ぜると、植物の持つ珪酸の働きが強化されます。

カノコソウ(507番): カノコソウは、精神安定剤としても知られています。やや日陰の、湿気と石灰分の多い土壌に生え、根には温め効果があります。集めた花を搾り、その汁を水で薄めて堆肥に吹き付けると、土壌の微生物やミミズの活動が活発になります。

ドイツでは、農作業を行う際に天体の動きよりも現場であるぶどう畑の状態を優先させている醸造家の方が多いようです。また、プレパラートを手作りできない場合は、専門の生産者から購入することも可能です。

 
Weinhaus Stein
ワインハウス・シュタイン(プファルツ地方)

左からマティアス・シュタイン、ギュンター・フランツ、マティアス・ヴェルター
左からマティアス・シュタイン、
ギュンター・フランツ、
マティアス・ヴェルター

ランダウの「ワインハウス・シュタイン」は、農業技師・醸造家であるマティアス・シュタインが父親から継いだ醸造所。2003年に、マティアスは友人の林業家ギュンター・フランツ、地質学者マティアス・ヴェルターと共同で再出発した。3人とも副業としてこの醸造所の仕事を行っている。2004年からはビオ基準でワインを造り、2008年にビオディナミに移行。アルツハイムのなだらかな丘陵地カルミットが彼らの畑だ。カルミットは大部分がレス、ローム土壌だが、一部、石灰岩土壌が隆起しているところがあり、クライネ・カルミットという標高270メートルの山を成している。この山はアルツハイムとイルベスハイムの双方に属しているが、一帯の石灰岩土壌のぶどう畑は煩雑な手続きを経て2009年に単一畑「カルミット」として認められた。この畑からは、テロワールの活きたリースリングが造られている。ワインハウス・シュタインのコレクションは、白はリースリング、赤はレゲントのみ。シュペートブルグンダーはすべてブラン・デ・ノワールとしてリリースしている。デメター会員。

Weinhaus Stein
Matthias Stein - Matias Welter - Günter Franz
Arzheimer Hauptstr. 117, 76829 Landau-Arzheim
Tel. 06341-945376
www.weinhausstein.de


2009 Regent Qualitätswein, trocken
2009年 レゲント・クヴァリテーツワイン(辛口)5.00€

ワインレゲントは1967年にディアナ(ジルヴァーナー×ミュラー= トゥルガウ)とシャンブルサンの掛け合わせから生まれた、カビ菌への耐性が強い、いわゆるピーヴィ種で、1995年に栽培が認可された。同醸造所のレゲントはマティアスの父が2000年に植樹したもの。マティアスによると、かなりの減農薬は可能だが、完全無農薬はやはり困難で、開花後に伝統農薬を少量必要とする。レゲントは完熟すると果皮が裂けやすくなり、赤品種にとって致命的なボトリティス菌が付きやすいため、デリケートなケアが必要な品種だという。このレゲントは、力強かったタンニンにも、5年の歳月を経て滑らかさが現れ、飲み頃に近付いてきた感じ。チェリーやチョコレートの風味が魅力的だ。2009年産レゲントのバリック樽仕立ては春先にボトリングの予定(6.00€)。

 

 

 
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岩本順子(いわもとじゅんこ) 翻訳者、ライター。ハンブルク在住。ドイツとブラジルを往復しながら、主に両国の食生活、ワイン造り、生活習慣などを取材中。著書に「おいしいワインが出来た!」(講談社文庫)、「ドイツワイン、偉大なる造り手たちの肖像」(新宿書房)他。www.junkoiwamoto.com
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