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医師・専門家に聞きました! ドイツで受診する際や
健康に暮らすためのヒント

心理療法 Psychotherapie

慣れない土地での生活や新しい職場への移動に伴い感じるストレスなど、メンタルの疾患や悩みと共に向き合い、克服や解決へ向かうための援助をしてくれる心理士およびカウンセラー。

ストレスとは、自分が置かれている状況下の人間関係や環境の変化への反応になります。そのため在外生活におけるストレス反応はごく自然なことで、自分が今までの経験から得てきた変化への適応の仕方がうまくいかない状況が続くと心身に支障をきたします。

海外生活に伴うストレス反応には、心理社会的なもの、トラウマによるもの、気候条件や騒音など物理的なものなどがあり、多くの人に共通するものと個人差が大きいものがあります。また、異文化のストレスのみならず日本(本社とのやり取りや日本にいる家族との関係性)との軋あつれき轢がストレスになることもあります。自身の適応能力の限界を超えることにより不適応状態となり、不眠や頭痛、食欲低下、動悸などの自律神経失調症や不安緊張状態、パニック障害、うつ状態、アルコール依存症など、さまざまな症状が表れます。また、危険な場面に遭遇した際にはトラウマへの反応である心的外傷後ストレス障害(PTSD)なども想定されます。

このような状況に陥らずゆとりのある海外生活を送るには、心がさまざまな変化に柔軟に適応できるように毎日の生活の中で心身を休ませたり楽しませたりするよう心がけることが大切になります。セルフケアの方法としては①休養と睡眠をとり、生活のリズムを整える。バランス良い食事と水分補給、軽い運動②現地の人との交流や文化施設の利用、趣味やスポーツクラブ、季節行事などへの参加。また、ドライブ旅行などの気分転換③現地の日本人との交流、日本のメディアや食事を楽しむ、帰省をする、日本の行事に参加するなど、日本人である自分の欲求を十分に満たすことが挙げられます。また、海外で暮らす上で複眼的に物事を見る姿勢がポイント。ドイツの歴史や文化、生活習慣、ドイツ人のドイツ人らしいところについてある程度情報を得て、日本人である自分は今、多文化環境を生きているということを認識しておくことが大切です。不調に気が付きセルフケアを行なうことで好転が見られるようであれば問題ありませんが、既にセルフケアだけでは不調状態が継続・悪化する場合には、家庭医や専門家に相談をしましょう。

お話を聞いた臨床心理士

ホーネカムプ・山本 有さん ドイツ国家公認診臨床心理士、精神分析家、心理カウンセラー。ドイツ人ならびに在欧日本人の心理療法や心理カウンセリングを行うほか、20年以上にわたりホスピスや緩和ケア病棟にて患者さんとその家族の心理ケアにも従事。また、エッセン大学にて遺族ケアに携わる専門家の養成にあたっている。

最終更新 Donnerstag, 28 Juni 2018 13:53  
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