Hanacell

旧東独州が財政支援継続を要求
2019年の連帯協定失効に伴い

旧東独の5州とベルリン市は、2019年の連帯協定の失効を前に、それ以降も財政支援の継続が必要不可欠であることを表明した。

東西ドイツ統一から25年を経てなお、旧東独州の経済構造の脆弱さが旧西独と比べて顕著であることがその理由という。財政支援の継続を訴えているのは、ブランデンブルク州、ザクセン州、ザクセン=アンハルト州、テューリンゲン州、メクレンブルク=フォアポンメルン州の旧東独5州とベルリン市。

東西ドイツ統一後、旧東独地域の経済復興を支援する目的で施行された「連帯協定II」と「州間財政調整」が2019年で失効することを受け、旧東独州およびベルリン市は、これに代わる財政支援として80億ユーロ以上の予算の上乗せを連邦政府に要求。その予算の大部分を旧東独州に還元すべきとしている。

これまでの協議では、2019年以降は自動的に財政支援を受けるのではなく、必要に応じて支援を要請する形に切り替えることに各州とも同意を示していた。そのため、旧東独州とベルリン市による今回の要求は予期されておらず、各州に波紋を広げている。

ブランデンブルク州のヴォイトケ州首相(社会民主党=SPD)は、「旧東独州の経済力が旧西独州と同等になったときに初めて州間財政調整の必要はなくなり、ドイツ再統一が完了したと言えるはず」として、「経済構造の弱い地域は、ドイツ全体で支援すべきである」と主張している。

これに対して、バイエルン州は反発。ゼーダー・バイエルン州財相(キリスト教社会同盟=CSU)は、「我々が拠出している50億ユーロ(年間)は、すでに過大な負担である。具体的な負担軽減案が提示されない限り、財政支援協定には同意できない」と述べた。

連帯協定IIは、2005~19年と期間が定められており、合計1565億ユーロが旧東独州およびベルリン市の財政支援に充てられている。この金額は、連邦政府から支払われる形となっているが、バイエルン州やバーデン=ヴュルテンベルク州など、財政状態の良い旧西独州からの拠出金によって賄われている。

 

 

ドイツの6大学が世界のトップ100入り
最高位はミュンヘン大学の35位

英国の教育専門誌「タイムズ・ハイアー・エデュケーション」による世界の大学ランキングが発表され、ドイツの6大学が100位以内にランクインした。

13項目に及ぶ審査基準には、専門論文の被引用率、外国人学生数などが含まれている。今回ランクインした大学は、ミュンヘンのルードヴィヒ・マキシミリアン大学(35位)、ハイデルベルク大学(38位)、ベルリン・フンボルト大学(41位)、ベルリン自由大学(51~60位)、ミュンヘン工科大学(61~70位)、アーヘン工科大学(91~100位)。

同ランキングの上位は、米国のハーバード大学、英国のオックスフォード大学やケンブリッジ大学などが占めた。

 

 

ザクセン=アンハルト州で市長が辞職
難民受け入れめぐり、極右が自宅前でデモ

ザクセン=アンハルト州のトレグリッツで、排外主義者および極右勢力の圧力を受けた市長が辞職に追い込まれる事態が発生した。

トレグリッツは人口3000人の自治体で、ニールト市長(無党派)は、難民50人の受け入れを予定していた。これに対し、極右政党(ドイツ国家民主党=NPD)主導による100人規模の抗議行動が定期的に催され、市長の自宅前にまで反対派が押し寄せた。これを受けてニールト氏は辞職を発表。同氏の妻は「夫は家族を守るために決断した」とコメントしている。マース連邦法内相(社会民主党=SPD)は「民主主義にとって悲しむべき事態が起こった」と表明。

 

 

ベルリンとNRW州で貧困層が拡大
デュッセルドルフとケルンが新興問題地域に

国内の貧困層が拡大しており、1250万人が該当することが明らかになった。これはドイツ統一以来最悪の数字。

「平等な富の分配連盟」の報告によると、最も貧困に直面しているのが母子家庭などの単身親世帯と年金生活者。貧困層が多い地域は、ブレーメン、ベルリン、メクレンブルク=フォアポンメルン州。一方で、ベルリンとノルトライン=ヴェストファーレン州では2006年以来、貧困層の割合が恒常的に増加傾向にあり、ケルンやデュッセルドルフが新たな問題地域と指摘されている。貧困層とは、平均収入の60%以下の収入しか得ていない場合に該当し、単身世帯の場合は月収892ユーロ以下が貧困層に規定される。

 

 

予防注射の完全義務化をめぐり論議
ベルリンでのはしか流行が背景に

ベルリンでは昨年の秋以降、はしかが流行しており、これまでに600人が罹患している。2月18日には、はしかにかかった1歳半の男児が死亡。これを受け、子どもに対する予防注射の義務化をめぐる論議が高まっている。

ドイツ児童保護連盟は、子どもを持つすべての親に対して、「はしかの予防注射を子どもに受けさせるように」と呼び掛けている。連邦議会内でもCDUの健康問題専門議員のシュパーン氏が、「幼稚園と学校での予防注射義務化を検討する必要がある」と発言。これに対し、緑の党のデルナー副院内総務は、「予防注射は伝染病から身を守るものである一方、副作用のリスクも考慮されなければならない」と異議を唱えていた。

国連の児童保護条例では、「すべての児童は予防注射によって避けられる病気から守られる権利がある」とうたっている。連邦議会では、予防注射の必要性について、子どもが幼稚園に上がる前に親への説明を義務化する案が出たが、小児科医連盟議長のハルトマン氏は、「それによって予防注射の接種率を上げることはできない」と指摘している。

 

 

 

国際結婚の割合が増加
同国人同士よりも高い離婚率

国際結婚の割合が増加しており、2013年は国内の婚姻のうち13%が国際結婚だったことが明らかになった。

連邦統計庁の調べによると、2013年に国内で提出された婚姻届のうち120万件が国際結婚で、この中でも最も多い組み合わせがドイツ人女性とトルコ人男性で19%だった。これに次いでドイツ人女性とイタリア人男性(12%)、ドイツ人女性とオーストリア人男性(7%)と続いた。ドイツ人男性の場合はトルコ人女性との組み合わせが最も多く14%、この次に多いのがポーランド人女性(9%)となっている。一方、国際結婚の場合は離婚率が64%と高く、これは同国人同士の場合よりも高い割合となっている。

 

 

 

ハンブルク市議会選挙でSPDが勝利
CDUは歴史的大敗、FDPが議会入り

15日に実施されたハンブルク市議会選挙で、社会民主党(SPD)が圧倒的勝利を収めた。一方、キリスト教民主同盟(CDU)は前回から大きく得票率を減らし、歴史的大敗を喫した。16日付のヴェルト紙が伝えた。

SPDは前回2011年の48.4%から得票率を減らしたものの、45.7%を獲得。他党と大きく差を付けて圧倒的強さで勝利し、同選挙戦を率いたオーラフ・ショルツ・ハンブルク市長の続投が決定した。これに対し、CDUは前回の21.9%から15.9%と大きく得票率を減らした。CDUは近年、移民政策や同性婚などに対して従来の保守路線を軟化させており、その影響からか大都市での選挙で苦戦を強いられている。今回の投票もSPD支持者が最も多く、そのほかは自由民主党(FDP)およびドイツのための選択肢(AfD)に流れたと見られており、CDU内からも党の軌道修正を求める声が上がっている。

また今回の選挙では、2013年9月の連邦議会選挙以来、敗北を重ねてきたFDPが、久々に州議会レベルで議席をキープ。前回の6.7%に比べて7.0%と得票率を伸ばし、これまでのハンブルク市議会選挙の中でも同党としては好結果を得た。このほか、緑の党が12.0%(前回11.2%)、左派党が8.5%(同6.4%)を獲得。さらに反ユーロ政党のAfDが5.2%の得票率で、ハンブルクで初の議会入りを果たした。

今回の投票率は56.6%(前回57.3%)で、初めて16~17歳にも選挙権が与えられた。また、これまで4年間だった議会の任期が5年間に延長された。

SPDはこれまで単独政権であったが、ショルツ市長は選挙戦のときから、圧倒的大多数を獲得するために緑の党との連立も視野に入れていることを明言していた。一方で、FDPとの連立の可能性には懐疑的な姿勢を示している。今回の勝利を受けて、ショルツ・ハンブルク市長を次期首相候補に推す声も上がっているが、SPDの公式見解としては、2017年の連邦議会選挙はガブリエル氏が党首を続投する限り、首相候補となる見通し。

2015年は予定されている選挙が少なく、州議会レベルでは5月10日にブレーメン市議会選挙が予定されている。

 

 

 

送電線の設置めぐり見解の不一致
バイエルン州首相が強硬に反対

国内を縦断する形で送電線を設置し、エネルギー対策に充てる計画に対して、ゼーホーファー・バイエルン州首相(キリスト教社会同盟=CSU)が強硬に反対。これに付随して関係する州間で不協和音が起こっている。

2022年に予定されている原子力発電所の完全撤廃に向けて、代価エネルギー供給問題が懸案事項となっているが、連邦政府はこの対策として高圧送電線の設置を計画。エネルギー転換によって電力不足となることが懸念されるバイエルン州に対して、テューリンゲン州から送電線によってエネルギー供給を行うとしているが、ゼーホーファー州首相がこれに対し、「2022年の原発撤廃後は、バイエルン州はガスを主なエネルギー供給源としたい。これが経済にとっても労働市場にとっても、良い方法だ」として、「送電線が本当に必要かどうか検討する必要がある」との見解を示している。

これに対し、ラメロフ・テューリンゲン州首相(左派党)はメルケル首相(CDU)に宛てた書簡で、不満をあらわにしている。

 

 

 

ドレスデン市民がPegidaを問題視
71%が「大きな問題」と認識

ドレスデンで発祥した反イスラム運動Pegida(西洋のイスラム化に反対する欧州愛国者)に対して、ドレスデン市民の大多数が問題意識を持っていることがフォルザ研究所の調査で明らかになった。

同調査は、1016人の選挙権を持つドレスデン市民を対象に行われたもので、回答者の71%がPegidaを「非常に大きな問題」とみており、79%が「Pegidaはドレスデンのイメージを損なうもの」ととらえている。また、実際にPegidaのデモに参加したことがあると回答した人は全体の3%に過ぎず、8%は「参加することが想定できる」とし、89%は「参加することを拒否する」と表明している。

 

 

 

教会難民にデメジエール内相が強硬姿勢
イスラム法との比較にCDUから反発

教会を一時的な滞在施設としている「教会難民」に対するデメジエール内相(キリスト教民主同盟=CDU)の発言が物議を醸している。

デメジエール内相は教会難民の存在について、「イスラム法のシャリーアがドイツにおいてドイツの法律の上に立つことができないのと同様に、教会も法律の上に立つことはできない」と述べ、法的に滞在許可を認められなかった難民が教会にとどまり続けることを否定した。これに対しフーベルト・ヒュッペ議員(CDU)は、「イスラム法はキリスト教の憐みの精神の対極にある」としてこの比較を批判。教会関係者からも批判の声が上がっている。

 

 

 

アウシュヴィッツ収容所解放から70年
ガウク大統領が「ドイツ人の道徳的な義務」に言及

アウシュヴィッツ強制収容所解放から70周年を迎えた1月27日、連邦議会で特別会合が開かれ、ガウク大統領らが演説を行った。

また同日はポーランドのアウシュヴィッツ強制収容所跡でも式典が行われ、大統領はこれにも参加した。1月28日付のヴェルト紙が伝えた。

連邦議会の特別会合でガウク大統領は、アウシュヴィッツ強制収容所解放70年に際し、この歴史を踏まえて「ドイツ人には難民と人権を守る道徳的な義務がある」とし、100万人が殺害された記憶はドイツ人に「隣人愛とすべての人の人権を守る」使命を突き付けていると強調した。また、「アウシュヴィッツを抜きにして、ドイツ人のアイデンティティーを語ることはできない」とも述べた。さらに、反イスラム運動のPegidaについて直接は言及しなかったが、「我々は今こそ新たに、異なる文化や宗教との相互理解に努めなければならない」とし、一方で、反ユダヤ主義、反イスラエル感情が強い国からの移民の存在にも触れ、「我々は歴史の真実を根気強く伝えていく必要があり、今日あるこの社会の価値を知らしめていかなければならない」と強調した。ランメルト連邦議会議長は「ドイツのこの恐るべき過去に対し次世代に責任はない。しかし、過去と向き合っていく責任はある」と訴えた。

強制収容所を生き延びた75歳の男性は、「素晴らしい文化を持つドイツ民族が、どうしてこのような罪を人類に対して犯したのか、私は一生理解に苦しむだろう」とコメントした。

アウシュヴィッツの絶滅収容所では、110万人以上が殺害されたと言われており、このうち100万人はユダヤ人だった。1945年1月27日、ソ連軍によって解放されたとき、7500人の生存者が確認されている。

連邦議会での特別会合を終えた後、ガウク大統領はポーランドへ飛び、現地で行われた追悼式典に参加した。同式典には、各国首脳と並んで同収容所を生き延びた300人も列席。コモロフスキ・ポーランド大統領は、人種差別や反ユダヤ主義に抗していく姿勢を呼び掛け、ナチスの犯罪を相対化するものに対しては、断固対決するべきであると訴えた。

 

 

Pegida幹部が続けて退任 創設者の次は広報担当
反イスラムデモも中止に

ドレスデンを拠点とする反イスラム運動Pegidaは、同組織の広報担当を務めていたカトリン・エルテル氏が同ポストから退くことを明らかにした。

Pegidaでは1週間前、創設者のルッツ・バッハマン氏が代表から退いたばかり。Pegida組織委員会はエルテル氏の退任理由を「激しい敵対的意見にさらされる中で、作戦タイムが必要になった」と説明している。またエルテル氏退任に伴い、さらに4人の幹部が辞任を表明しており、これを理由に次回予定されていた月曜日デモを中止するとPegidaは発表。また、エルテル氏に近かったPegidaメンバーが新たな組織結成を画策していることも報じられた。

Pegidaは「西洋のイスラム化に反対する欧州愛国主義者」を標榜しており、昨年10月からドレスデンでデモを繰り広げていた。最後に行われた1月25日の日曜日デモでは1万7000人が参加している。同組織は当初、「反イスラム主義」を看板としていたが、創設者のバッハマン氏がヒトラーの扮装をしている姿がフェイスブック上で発覚したのを機に、差別的な外国人排斥思想を持つことが露呈した。

 

 

ケルンで「シャルリー・エブド」の山車は却下
カーニバルの雰囲気と安全性を重視し

ケルンのカーニバルのハイライト、ローゼンモンタークの山車行列で、パリのテロ事件をモチーフにした山車の参加が中止になったことをカーニバル連盟が発表した。

伝統あるケルンのカーニバルでは、その時々の時勢を反映した社会や政治風刺の山車が繰り出すことで有名。今回、パリで起こった週刊新聞「シャルリー・エブド」襲撃事件をモチーフにした山車については、フェイスブック上で公開された14の図案の中から人気投票によって選ぶという方法が用いられた。しかし、インターネット上で賛否両論が起こり、カーニバル連盟は「カーニバルの楽しい雰囲気と気軽さが制限されることを懸念」し、同決定をした。

 

 

子どもに精子提供者を知る権利
連邦裁判所が認める

ドイツ連邦裁判所(BGH)は、匿名の精子提供によって生まれた子どもが、年齢の制限なく提供者である「生物学上の父親」の名前を知る権利があるとの判断を下した。

これは、ニーダ―ザクセン州に住む12歳と17歳の姉妹が訴えを起こしていたもので、2013年にハーメルン地区裁判所でいったん、この訴えを認める判決が出たが、その後ハノーファー地方裁判所で却下されていた。BGHのドーゼ裁判官は「子どもが自分のルーツを知る権利は尊重されなければならない」と判決理由を述べているが、精子バンクは、精子提供者の匿名性が守られなければ、今後、適切な提供者の確保は困難になるだろうと指摘している

 

 

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