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イスラエル人大多数が ドイツ人に好印象
外交に関しても高評価

イスラエル人およびパレスチナ人の大多数が、ドイツおよびドイツ人に対して好印象を持っていることが、コンラート・アデナウアー基金の調査で明らかになった。

これは、1000人以上のイスラエル人とパレスチナ人に調査を実施したもの。欧州諸国の中でイスラエル人が最も好印象を持っている国がドイツで、70%が「好印象」、80%が「ドイツはイスラエルにとって重要なパートナー」と回答している。また、71%がドイツの外交や世界における役割を好意的に評価しており、メルケル首相に対する支持は、年齢層が高くなるほど上がることが分かった。今年は、ドイツとイスラエルの国交成立50周年に当たる。

一方、パレスチナ人のドイツに対する評価もイスラエル人と似ており、回答者の3分の2が、「平均的なドイツ人はパレスチナ人を理解し、サポートしてくれている」としている。

また、パレスチナ人の大多数が、ドイツがイスラエルの存在を支える上で重要な役割を担っていることを認識している一方で、「ドイツは中東紛争における大きな役割を果たせる国」と見ていることが明らかになった。

 

女性の就業率、いまだに東が西を上回る
男女の役割分担の認識に違い

女性の就業率の高さが、ベルリンの壁崩壊後25年経ってもなお、旧東独地域が旧西独地域を上回っていることがベルテルスマン基金の調査で明らかになった。

同調査によると、女性が社会保障加入義務のある職に就いている割合が、旧東独の場合は57.9%、旧西独は50.9%だった。

この中で女性の就業率が最も高い州はザクセン州の58.5%で、これに次いで高かったのがブランデンブルク州とテューリンゲン州でともに58%。最も低かったのがザールラント州の47.2%で、それに次いで低いのがノルトライン=ヴェストファーレン州の47.5%だった。

 

「嘘つきメディア」が今年の不快語大賞に
「報道の自由を脅かす言葉」と専門家が指摘

反イスラム運動Pegidaのデモ参加者によって使われた「嘘つきメディア(Lügenpresse)」が2014年の不快語大賞に選ばれた。

選考理由としては、「メディア全体をおとしめ、報道の自由を脅かす言葉」というもの。この決定を受け、ドイツ新聞発行連盟(BDZV)は歓迎の意を表明。「Pegidaデモの主催者は、そのような表現を通してナチス用語を引っ張り出すこともできる」と述べた。また、言語専門家は「嘘つきメディアという言葉はすでに、第1次世界大戦時に使われ、ナチス時代にも政党から独立した報道機関をおとしめる表現として用いられていた」と解説。

 

バイエルン州で、うつ病の症例が突出
教師の3人に1人は燃え尽き症候群

健康保険組合BKKが9日発表した健康リポートで、精神的な要因による病欠日数が、ほかの要因による日数を上回っていることが明らかになった。

同リポートによると、精神的な要因による病欠日数の年間平均は38日で、がんによる病欠日数の35日を上回る。精神的要因の3分の1はうつ病だが、その症例件数には地域差があり、最も多いのはバイエルン州。これにラインラント=プファルツ州、ザールラント州が続く。BKKは「心理療法士が多い地域では、より多くのうつの症例が診断される」と分析。一方、全国の教師の3人に1人が「燃え尽き症候群」にあることも報告されている。

 

CSUが移民家庭の「ドイツ語化」を提唱
批判受け、表現を緩和も

キリスト教社会同盟(CSU)が9日、移民に対して「言語を通しての同化」を提唱したことが物議を醸している。

CSUは当初、移民のドイツ社会同化への一助として、「家庭内でもドイツ語を話すべきである」とし、その実践状況を監視する「言語パトロール」の導入を提唱していた。これに対し、政治家からだけでなく、インターネット上でも批判が殺到。姉妹政党キリスト教民主同盟(CDU)のタウバー事務局長は、「家庭内で話す言語に政治が介入することはできない」と言明。これらの事態を受けてCSUは、同案の文言を「移民家庭内で、日常生活においてドイツ語を話すモチベーションを持つべき」と緩和した。

 

「欧州愛国主義者」による反イスラム・デモへ懸念高まる
ドレスデンで1万人が参加

「西欧のイスラム化に反対する欧州愛国主義者(=Pegida)」による反イスラム・デモの拡大に対し、懸念の声が高まっている。12日付のヴェルト紙が伝えた。

Pegidaによるデモは、ドレスデンで毎週月曜日夜に開催されていたが、8日には1万人規模のデモに発展。これを受けてザクセン州のティリッヒ首相(キリスト教民主同盟=CDU)は、「市民との対話を行い、不安要因を取り除く必要がある」と述べた。Pegidaのデモでは、参加者はシュプレヒコールを叫んだり破壊活動を行うことはなく、プラカードを掲げて黙々と行進する。発起人のルッツ・バッハマン氏は「我々の活動は基本法を基盤としており、それを逸脱することはしない」と述べている。反ユーロを掲げて保守派の支持を集めているドイツのための選択肢党(AfD)は、Pegidaデモ参加者への共感を表明。世論調査機関エムニトの意識調査では、ドイツ人の33%がPegidaのデモ参加者の大多数は極右であると認識している。一方、デメジエール内相(CDU)は、反イスラムを扇動する風潮に対して「ドイツ社会の空気が荒んできている」と懸念を表明している。

 

CDU、党大会でメルケル首相を党首に再選
演説で、連立パートナーのSPDを批判

ケルンで9日、キリスト教民主同盟(CDU)の党大会が開催され、メルケル首相が総数919票のうち884票を獲得、96.7%の支持率で党首に再選された。

今回の投票で、メルケル首相は2000年にCDU党首に就任して以来、2番目に高い支持率を獲得。最も多い支持を集めたのは2年前のハノーファーでの党大会で、このときの得票率は97.9%、支持率が最も低かったのは04年のデュッセルドルフ党大会で、88.4%だった。

党大会ではさらに、5人の副党首も選出され、その1人にポスト・メルケルの呼び声が高いラインラント=プファルツ州のユリア・クレックナー代表が、96.5%という高い支持率を得て選ばれた。このほか、ヘッセン州のブッフィエ代表(89.1%)、ノルトライン=ヴェストファーレン州のラシェット代表(76.1%)、バーデン=ヴュルテンベルク州のシュトローブル代表(75.2%)、フォン・デア・ライエン国防相(70.5%)が選出された。

メルケル首相は1時間に及んだ演説の中で、連邦議会の連立を組む社会民主党(SPD)への批判を展開した。先頃、テューリンゲン州で左派党主導の連立政権を発足させたことに対して、「破産宣言に等しい出来事」と非難。17年の連邦議会選挙で左派党、SPD、緑の党による連立政権の可能性を阻止するためには、CDU・CSUが強固にならなければならないと言明した。一方、長年連立を組み、前回の選挙に敗退して連邦議会で議席を失った自由民主党(FDP)に対しては、「早々に諦めるべきではない。彼らはCDUの連立パートナーにふさわしい」と述べた。

また、緑の党との連立政権を成立させたヘッセン州のCDUを称賛し、「新たな興味深い可能性を開いた。ヘッセン州にとって有益だ」とコメントした。さらに、13年の連邦議会選挙後に緑の党との連立を模索したものの、成立しなかったことを「残念に思う」と述べた。

一方でメルケル首相は今回、急速に勢力を伸ばしている新党「ドイツのための選択肢(AfD)」については一切言及しなかった。テューリンゲン州では、左派党政権成立を阻むために、CDUとAfDの間で連立に向けた話し合いがなされたとの噂が持ち上がり、党大会前に物議を醸していた。

 

テューリンゲン州で初の左派党首相が誕生へ
緑の党、SPDと連立

旧東ドイツのテューリンゲン州で、東西ドイツ統一後初めて左派党州首相による左派党と社会民主党(SPD)、緑の党の3連立政権が誕生する見通しとなった。州首相は、12月5日に州議会で正式に選出される。11月21日付のヴェルト紙が伝えた。

9月14日のテューリンゲン州議会選挙で、左派党は得票率27.7%と躍進。キリスト教民主同盟(CDU)に次ぐ第2党の座を獲得した。一方、CDUと連立を組んでいたSPDは得票率を大幅に減らし、この結果、これまで政権を担っていたCDUとSPDの大連立に代わって、左派党、SPDに緑の党を加えた3党連立政権樹立の可能性が浮上。3党は選挙後、予備会談および連立交渉を重ねていた。

11月20日に行われた連立交渉で3党は、左派党のボド・ラメロフ氏を州首相に選出する形での連立政権に合意。左派党は、州議会選挙での得票率がSPDと緑の党の合計を10%近く上回っていたにもかかわらず、8つある大臣ポストのうち、3つのみを担うことで譲歩を示し、「3党の平等な目線に基づく組閣」をアピールした。これにより、東西ドイツ統一以来、同州政権を担ってきたCDUが初めて野党に回ることとなった。

左派党は、旧東ドイツの政権政党、ドイツ社会主義統一党(SED)と、その後継政党、民主社会党(PDS)の流れを組む党で、旧東ドイツ政権との繋がりをめぐって同党の責任を問う声が出ていたほか、連立を組むことになったSPD内からも根強い反発の声が上がっていた。また、メルケル首相(CDU)およびガウク大統領も、左派党州首相の誕生に対して懸念を表明していた。

これに対し、左派党は連立協定に「旧東ドイツ国家は不法国家に等しかった」との一文を入れることに合意。ラメロフ代表は、「我々は、旧東ドイツ政権の不法と横暴について話さなければならない」と言明。旧東ドイツの独裁政権の犠牲者に対する調査を進め、賠償問題にも積極的に取り組んでいく姿勢を示した。

このほか、財政問題においては今後5年間、新たな債務を作らないことや、500人分の教員ポストを増員すること、保育園の無料化などを政策目標に掲げている。

 

中高生の大多数が将来の職業選択について「不明瞭」
「十分に情報を得ている」のは半分

世論調査機関アレンスバッハが行った意識調査の結果が11月25日発表され、将来の職業選択について、中高生の大多数が困難を感じており、「十分な情報を得ている」と感じている人は半数であることが明らかになった。

530人の生徒と480人の中高生の親を対象に実施されたアンケート調査で、全体54%が「将来性のある仕事が何か分からない」と回答。「夢の職業」ランキングでは、「未来の分野」とされるITおよびコンピューター関連の仕事が下位にとどまった。なお、将来の職業についての相談相手として最も多いのが両親で、75%が父親、85%が母親にサポートを求めるとしているが、「両親から十分な助言が得られている」と回答した生徒は半分以下だった。

中高生がキャリアの方向性を描けない傾向は職業訓練や大学の中退率にも反映されており、職業訓練生の4人に1人が訓練を、大学生の3人に1人が学業を中断している。また、職業で重視する事柄について、男子では「収入」が多かった一方、女子では「人との関わり」が上位を占め、私生活とのバランスを重んじる姿勢が浮き彫りとなった。

 

最も経済力がある都市はヴォルフスブルク
旧東独各都市が上位にランクイン

 経済紙ヴィルトシャフツヴォッヘと不動産サイト「イモビリエン・スカウト24」による「勢いのある都市」ランキング上位に、旧東独州のライプツィヒ、エアフルトが選ばれた。11月28日付のヴェルト紙が伝えた。

これは、国内69都市を経済的な活力を基準に比較したもので、1位が自動車大手フォルクスワーゲン本社のあるヴォルフスブルク、2位はアウディの本拠地インゴルシュタット、3位にヴュルツブルクが選ばれた。また旧東独州からはライプツィヒが4位に、エアフルトが9位にランクインした。首都ベルリンは5位。ランキング下位は、ノルトライン=ヴェストファーレン州のルール地方の各都市が占めた。

 

「市民の勇気」示した女性が病院で死亡
トラブルの仲裁に入り、頭部に致命傷

ヘッセン州オッフェンバッハのファストフード店で、トラブルを止めようとして18歳の男性客に頭部を殴られたトゥッチェ・Aさんが11月28日、病院で死亡した。

同ファストフード店のアルバイト店員だったトゥッチェさんは同月15日、3人の男性客に絡まれていた女性客2人を助けようとして間に入り、男性客の1人から頭部を殴られて意識を失った。その後昏睡状態に陥っていたが、脳の損傷が重く、覚醒が期待できないとして、トゥッチェさんの家族が生命維持装置を外すことに同意。23歳の誕生日に死亡が確認された。事件後、多くの市民が病院前に詰め掛け、「市民の勇気」を示したトゥッチェさんを悼んだ。

 

EU市民に対するハルツ4給付拒否に合法判決
欧州裁、「受給には職探しが前提」

ルクセンブルクの欧州裁判所(EuGH)は11日、ドイツ国内で失業中の欧州連合(EU)加盟国出身者に対し、就職活動をしていない場合は生活保護を給付できないとする判断は合法との判決を下した。ヴェルト紙が伝えた。

同判決は、ライプツィヒ在住のルーマニア人女性(25)が起こした訴えに対して下されたもので、この女性は2010年以降、息子とともに同市内にいる自身の姉妹の元に身を寄せており、これまで一度も就業したことがなく、また職業訓練を受けたこともない状態だったという。この女性が長期失業者向け生活保護ハルツ4の申請を行ったところ、同市の就職斡旋所はこれを却下。同件は社会裁判所から欧州裁判所に回され、判断が仰がれた。

連邦政府は同判決に対し、歓迎の意を表明。政府のエツォグツ移民問題担当官(社会民主党=SPD)は、「この判決により、就職斡旋所が明確な論拠を得られたことは良かった」と言明した上で、「個々の事例に対する細心の配慮が必要で、厳しい審査を設けることで誰かが損害を被ることがあってはならない」とも述べた。

 

ケルンで大規模な反イスラム・デモ
警察官49人が負傷、参加者17人逮捕

10月26日、ケルンでフーリガンやネオナチによる大規模な「イスラム過激派サラフィスト排斥」を掲げるデモが行われ、警察が放水や催涙ガスで応戦するほどの騒乱に発展した。ヴェルト紙が伝えた。

このデモは、イスラム過激派サラフィストに対する「反サラフィスト・フーリガン同盟」によって行われ、ネオナチ・グループや極右政党Pro NRWの支持者らも合わせて計4800人が参加した。彼らはケルン中央駅北側に集結。ヒトラー式の敬礼が見られたり、爆音花火が飛び交うなど、デモ開始当初から現場は暴力的な雰囲気に包まれた。彼らは「外国人は出て行け」などと叫びながらケルン市内を行進。この事態を受け、地元警察は1000人の警官を導入。デモ隊の投石や爆音花火などの攻撃に対して放水や催涙ガスで応戦した。この日、49人の警察官が負傷し、デモ参加者のうち17人が逮捕された。

今回の大規模デモを受け、ノルトライン=ヴェストファーレン(NRW)州のイェーガー内相(社会民主党=SPD)は「ケルンはドイツで初めてフーリガンによる暴力集会を許してしまった。これは、集会の自由を悪用した暴力行為にほかならない」とコメント。NRW州では将来的に、こういったフーリガンのデモを禁止する方向で、捜査を行っていくとしている。マース連邦法相(同)は、「このような暴力行為をドイツの都市で行う者には、あらゆる法的手段を用いて罰則を与えるべきだ」と述べ、このような事態を受けてイスラム過激派サラフィストと極右勢力の暴力性が激化することへの懸念を表明した。

一方、デメジエール連邦内相(キリスト教民主同盟=CDU)は、公共放送ARDのニュース番組「ターゲステーメン」で、「司法の明確なあり方」の重要性を強調。フーリガンのデモを取り締まる上で新たな法律は必要ないとして、「暴力行為に対して明確な態度を取ることで、このようなデモを禁止することができる」と述べた。

「フーリガン」とは、暴力的なサッカーファンのことを意味するが、今回のデモはサッカーとは関係がなく、ドイツには1980年代からフーリガンと極右思想を結び付けたネオナチ・グループが存在している。

 

ベルリンの壁崩壊から25周年
「自由への勇気」を掲げ、記念式典開催

ベルリンの壁崩壊から25周年を迎えた11月9日、首都ベルリンでは盛大な記念式典とイベントが開催された。

ベルナウアー通りのベルリンの壁記念碑前での式典に臨んだメルケル首相(キリスト教民主同盟=CDU)は、現在のウクライナやシリア、イラク情勢に対して、「壁崩壊という歴史的事実が伝えているものは、物事を良い方向に変化させることができるというメッセージだ」「独裁という壁、暴力という壁、イデオロギーという壁、敵意という壁が崩されなければならない」として、「壁崩壊は、夢が叶うということを私たちに示した」と演説した。

さらに、ブランデンブルク門前で「自由への勇気」をモットーに開催された祝賀イベントでは、ウド・リンデンベルクなどの著名なアーティストが出演。集まった数十万人が、ベルリンの壁を越えようとして亡くなった136人の犠牲者を悼み、黙とうする時間が持たれた。また、同イベントに合わせてベルリンの壁跡には7000個の光の風船のインスタレーションが設置され、その1つ目がベルリンのヴォーヴェライト市長によって「平和と自由のために」という掛け声とともに空に放たれた。

同日午後にはジャンダルメンマルクトに建つコンツェルトハウスで、東西ドイツ統一の功労者の1人とされるミハイル・ゴルバチョフ元ソ連書記長とレフ・ワレサ元ポーランド大統領が盛大な拍手で迎えられた。ヴォーヴェライト市長は開会の辞で、「東ドイツが不法国家であったことに疑いの余地はない」と述べ、さらに1938年の11月9日がナチス政権下で「水晶の夜」として知られる反ユダヤ主義暴動があった日であることにも言及。「憎しみと暴力を許してはならない」と強調した。また、「ベルリンは将来も変化し続けるだろう。新しいものを受け入れる開かれた姿勢がベルリンの活力源だ」と述べた。

一方、旧東ドイツ政権政党の後継政党である左派党のキッピング党首は、東ドイツの「不法性」を認める一方で、25年前に自由を求めて路上に出て行った多くの東ドイツ市民の希望はまだ叶えられていないとして、「民主主義と自由、社会主義を実現するために、やらなければならないことはたくさんある」と主張した。

 

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