【バイセンハウス(ドイツ北部) 5月13日 時事】先進7カ国(G7)外相会議が12日、ドイツ北部バイセンハウスで3日間の日程で開幕した。議長国ドイツのベーアボック外相は開幕に当たり、ロシアのウクライナ侵攻が「欧州だけでなく、世界の危機になった」と指摘し、国際社会が一致して対応する必要性を強調。とりわけ穀倉地帯でもあるウクライナからの穀物輸出が滞り、アフリカ諸国などで食料危機が拡大しているとして、輸出を支援する方針を表明した。
ベーアボック氏は、ロシアのプーチン大統領が「危機を国際社会の分断に利用しようとしている」と糾弾。食料危機もその一環だとして「G7は阻止する」と断言した。ベーアボック氏によると、ロシア軍の妨害によってウクライナの港湾で足止めされている穀物は2500万トンに上る。
G7はウクライナ危機を受けて頻繁に外相会議を開いており、オンラインなどを含め今回が今年7度目。ただ、今回はこれまでの緊急会合と異なり入念な事前準備を経た本格的会議で、気候変動や途上国支援など幅広い問題を協議する。
初日の12日は全体の夕食会を開催。日本から参加した林芳正外相は、英仏カナダ各国の外相と相次ぎ2国間会談を行った。ウクライナのほか、危機波及が懸念されているモルドバの外相も出席した。新型コロナウイルスの検査で陽性となったブリンケン米国務長官は欠席した。
6 Mai 2022 1169号
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