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Do. 17. Jan. 2019

〔欧州週間経済動向〕EUのEVシフトを加速

【ブリュッセル 1月7日 時事】欧州連合(EU)が、新車販売する乗用車の二酸化炭素(CO2)排出量を2030年までにEU全体で37.5%削減(21年目標比)する新規制を導入する方向になった。 ガソリン車やディーゼル車から、電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHV)などへの移行の加速を促すもので、自動車業界は高水準の目標達成のため戦略修正を迫られそうだ。

◇1/3がEVに?
新規制は昨年12月17日、欧州議会と閣僚理事会の間で合意。制度化への手続きを今後進める。欧州委員会のシェフチョビッチ副委員長は合意を受け、「パリ協定履行の確かな一歩であると同時に、欧州の産業の長期的競争力を支援する決定的な一歩だ」と強調した。
CO2排出量の削減幅については、欧州委員会が当初提案した「30%削減」に対し、欧州議会が「40%削減」、閣僚理事会が「35%削減」とする修正案をそれぞれ提示。協議の末、間を取る形で折り合い、当初案よりも厳しい内容となった。
パリ協定に基づき、温室効果ガスを30年までに40%削減(1990年比)するというEUの目標達成に向け、EU全体のCO2排出量の15%程度を占める乗用車や小型商用車部門の削減を進める。
25年までにCO2を15%削減する中間目標を設けるほか、小型商用車は30年までに31%削減を目指す。さらに燃費性能に関し、検査時と実際の走行時の数値のギャップを監視する仕組みを盛り込むほか、EVなどCO2排出ゼロや低排出の新車販売を伸ばすインセンティブ制度も導入する。
独自動車大手フォルクスワーゲン(VW)の排ガス不正などを背景に、25~40年までにガソリン、ディーゼル車の新車販売を禁止する動きがフランスや英国、オランダ、北欧諸国などに広がる中、EU全体でもEVシフトの方針を鮮明化させた格好だ。
ブリュッセルに拠点を置く環境保護NGO「運輸と環境(T&E)」は、「気候変動の目標達成には十分ではない」とくぎを刺しつつも、「欧州はゼロエミッション(排出量ゼロ)車の製造競争でギアを上げることになる」と一定評価。30年までに新車の3分の1が「電気か水素で動く」と予想する。

◇「非現実的」と反発
ただ、EU全体ではPHVを含む充電可能な新車の足元の販売台数割合は、まだ2%前後にすぎない。微増傾向にはあるが目標達成は容易ではない。競争力の低下や雇用への悪影響を恐れる自動車業界からは、さっそく強い反発の声が上がっている。
欧州自動車工業会(ACEA)は、新規制について「現状を踏まえておらず、完全に非現実的なものだ。純粋に政治的な動機に基づく目標だ」と非難する声明を発表。さらに「約1330万人に上る欧州の自動車産業の雇用に深刻な影響を与える」と訴えた。
特に自動車産業への依存度が高く、「30年までに30%削減」と低水準の目標設定を主張していたドイツの懸念は大きい。アルトマイヤー経済相は合意案に対し「技術的、経済的に可能な上限だ」とひとまず容認姿勢を示したが、独自動車工業連盟(VDA)は「要求が高すぎる上に(EVシフトへの)インセンティブが少なすぎる」と批判。目標達成に向けた明確な道筋が示されていないことに不満を訴えた。
またVWのディース最高経営責任者(CEO)は、新規制の基準を満たすため、同社は30年までに欧州での新車販売の40%をEVにする必要があると説明。規制が想定を上回る厳しさとなったことで、5年間で300億ユーロ(約3.7兆円)を投じる同社のEVシフトの計画は「十分ではない」とし、今秋までに計画を見直す方針を明らかにした。
欧州委は昨年11月、50年までにEU域内での温室効果ガスの排出量を、植樹や地中貯留などの相殺効果を含めて実質ゼロにする戦略を打ち出しており、自動車業界は今後さらに厳しい対応を求められる可能性もある。
 
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