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春を告げるアルトマルクトのお祭り

ぽかぽか陽気と寒々とした日の繰り返しで、なかなか本格的な春の到来は遠いように思われましたが、春の楽しみを目一杯満載したようなアルトマルクト広場の春祭り(Frühjahrsmarkt)は、明るい季節の訪れを実感させてくれます。そんな祭りが、今年もアルトマルクト広場で4月30日から5月22日まで開催されました。

賑やかに飾り付けられた屋台
賑やかに飾り付けられた屋台

マルクトはドイツのどの街にも存在する中心的な広場ですが、ドレスデンのアルトマルクトは1945年の爆撃によって大きな被害を受けた後、修復されることもなくアスファルトで舗装され、駐車場として利用されていました。しかし、近年の「中心地丸ごと再生事業」とも言える改修工事の一環で、この広場も駐車場が地下に造られ、地面は石畳で舗装、モダンな噴水なども設置されて、街の中心らしい賑やかな雰囲気を取り戻しました。

さて、春祭りでは100以上の屋台に地域の特産品が並び、鉢植えやガーデニング用品も勢ぞろいしました。クリスマスマーケットをはじめ、季節ごとの祭りの屋台やステージ、遊具といった構成は、正直なところ代わり映えがしないものですが、それでもその趣向を凝らした飾り付けに心躍らされ、ついつい立ち寄ってしまいます。一昨年からクリスマスマーケットの装飾や構成が一新されたこととも関係があるのでしょう。春祭りでも見どころは屋根の上の装飾。山盛りの花々に加え、豚やウサギ、さらには手押し車までが屋根の上に並び、もはや装飾の域を超えているようにさえ感じられました。

楽しい雰囲気に一役買う観覧車
楽しい雰囲気に一役買う観覧車

屋台の上で何やらごそごそと動いている人を発見。なんとこの方は、屋台の上の花の世話をしていたのでした。屋台の装飾といえば普通は造花ですが、一部の屋台の屋根には本物の花が設置されていました。鮮やかに咲いた大輪の花はそれだけでも観る価値があり、実のところ、祭りの主役は屋台の上の花たちだったようです。一角には「中国上海豫(よえん)民間手工芸展」が出店されており、切り絵やアクセサリーなどの展示販売、影絵ショーやウィッグの試着即売を行っていました。

私が訪れたのは午前中だったのでまだ静かでしたが、屋台脇のベンチに腰掛けてビールを飲みながらくつろいでいるドイツ人のおじさんを発見。朝一に祭りに出掛けてビールを飲むその余裕を、ぜひ真似してみたいものです。

福田陽子さん福田陽子
横浜出身。2005年からドレスデン在住。ドイツ人建築家の夫と娘と4人暮らしの建築ジャーナリスト。好奇心が向くままブログ「monster studio」公開中。
http://yoyodiary.blog.shinobi.jp/
 
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