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誕生日にデジタルデトックス ヘルテンのタイニーハウスへ

ドイツの誕生日祝いといえば、誕生日の本人が家族や友人を招いてのパーティーが定番です。私もかつて巻き寿司を大量生産してお祝いしたものですが、年々誕生日祝いは控えめになり、ついにデジタルデトックスをするところまで来てしまいました。もちろん自宅でもできますが、せっかくなら旅先でやってみたい……と民泊サービスサイト「Airbnb」をクリック。そうしてたまたま見つけたのが、ノルトライン=ヴェストファーレン州北部にあるヘルテン(Herten)という小さな街のタイニーハウスです。サーカス団員が住んでいるようなトレーラーで、広々とした庭付き。しかも、アトリエが集まったクンストホフの一角で、なかなか面白そう。そんなわけで6月の誕生日を挟んだ2泊3日、パートナーと一緒にヘルテンで過ごすことになったのでした。

滞在したタイニーハウス。別途敷地内には共用のトイレとシャワーが滞在したタイニーハウス。別途敷地内には共用のトイレとシャワーが

タイニーハウスのあるヘルテンのヴェスターホルト地区へは、デュッセルドルフからREでゲルゼンキルヒェンまで行き、Uバーンとバスを乗り継いで片道2時間ほどの距離。目的地へ行くまではグーグルマップに頼りましたが、タイニーハウスに到着してからはスマホを手放しました。スマホでは写真を撮らないと決めていたので、長らくたんすに眠っていた一眼レフも持参。不思議な解放感に浸りながら、ゆるめのデジタルデトックスがスタートしました。

ヘルテンの木組みの家はニーダーザクセン様式(詳しくは本誌1246号特集にて!)ヘルテンの木組みの家はニーダーザクセン様式(詳しくは本誌1246号特集にて!)

ヘルテンには旧市街があると聞いていたので、なんとなくそちらに向かって歩いてみることに。すると、白と黒のコントラストが美しい木組みの家々が立ち並ぶエリアにたどり着きました。レストランもいくつかあり、ちょっとした観光地としてにぎわっている様子。その当時、本誌1246号特集「ドイツ木組みの家街道」のリサーチ期間だったので、若干仕事モードになりつつも、散策を楽しみました。さらに進むと、前日バスから見えた森の入口に到着。一部がゴルフ場になっていましたが、それ以外の場所は一般の人も自由に出入りできます。どこまでも真っすぐ続く木のトンネルが気持ちのいい森でした。

旧市街南部にある森に整備されたBuerer Str.旧市街南部にある森に整備されたBuerer Str.

タイニーハウスでは、スマホでレシピを見ずにバースデーパンケーキを焼き、庭に出て読書やギターなどそれぞれの趣味を楽しみ、夜はパートナーにチェスの手ほどきを受けるなど、スマホのない時間は意外にもあっという間に過ぎました。一方で、普段ちょっとしたことをネットで検索したり、分からないドイツ語を調べたりと、どれだけスマホに頼っているかに気づかされる機会にも。

偶然ヘルテンに行くことになりましたが、静かな誕生日を過ごすことができ、満足な気持ちで帰ってきました。都会の喧騒から離れ、ちょっと不便を体験しに、知らない街を訪れる。一度経験したらハマるかもしれません。

編集部 D
学生時代にベルリンに恋をして、絵本出版社勤務を経て2016年に渡独。2018年からドイツニュースダイジェストの編集者。自他共に認める多趣味で、近年はとりわけ現代短歌とモダンダンスに勤しんでいる。
 
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