私の街のレポーター ハンブルク Hamburg

おいしいドイツビールといえば、バイエルン州をまず思い浮かべるかもしれません。しかし、ここ北ドイツにも、とびっきりおいしいビールがあるんです！ハンブルクのクラフトビール醸造所ラーツヘルンは、おしゃれで個性的なお店やカフェが並ぶ、若者やアーテイストが集まるシュテルネシャンツェ地区にあります。

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ラーツヘルン醸造所は、戦後間もなく誕生しました。当時エルプシュロス醸造所で造られていたラーツヘルンのビールは、地元ビールとしてハンブルク中で飲まれていました。ところが大企業の進出により、小さなビール会社の買収が始まります。大企業ブランドの傘下に置かれたラーツヘルンは、その本来の独立性と個性が失われていきました。しかし2012年、転機が訪れます。ラーツヘルンは、シュテルネシャンツェ地区に拠点を移設。独自の醸造所、瓶詰め工場、そしてレストラン、ショップなどを一拠点にまとめ、大量生産のビ－ルではなく、個性とポリシーを持ったビール造りを始めました。

醸造所の見学ツアーもあります

ラーツヘルンのビール造りのこだわりは、まず原料から。ハンブルクや、その近郊で独自に栽培しています。そして、二酸化炭素の排出を減らすために、瓶詰め作業も全てハンブルクの工場で。またスローブリューイングという製造方法を用いています。これは、時間をかけてゆっくり発酵、丁寧に熟成させる、手作り志向のビール醸造法で、よりまろやかで深い味わいを出すことができます。時間を短縮し、あるいは添加物を加えて早く発酵させ、効率を上げる大量生産のビ－ルには出せない、天然酵母や麦芽の独特な風味が生かされるそうです。この理念を具体的に実践している醸造所やビ－ルに与えられる、スローブリューイングの認証制度があり、ラーツヘルンは、この認証を持つ北ドイツでは唯一の醸造所だといいます。

地元の誇りラーツヘルンビール醸造所

最近、昔懐かしい人と偶然再会し、ビールでも飲みながら昔話に花を咲かせようと、このラーツヘルン醸造所のビアレストラン「Altes Mädchen」にあらためて集まりました。こだわりのポリシーを持つビアレストランらしく、こだわりのあるお客さんが多い感じでした。早速、5種類のビールを約100ミリリットルずつ試すことができる「テイスティング・トレイ」というのを注文しました。それぞれが個性的で、とっても優しい味！話も弾み、楽しいひとときを過ごせたのも、こだわりスロービールのおかげかもしれません。