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イサム・ノグチの系譜を継ぐ 触れて楽しむ美術館内の遊び場へ

美術館に子どもを連れていくと、触らないで!静かにして!走らないで!と注意することが多くなってしまうもの。でも、州立美術館K20で開催中の展覧会「Playground」(以下、プレイグラウンド)では違います。ここでは子どもたちがアートに触れながら思う存分遊ぶことができるのです。

K20の建物の外壁に大きく掲示されたプレイグラウンドの文字K20の建物の外壁に大きく掲示されたプレイグラウンドの文字

2026年4月のオープン前から話題となっていた今回の展覧会。自身も母親である同館のキュレーターが、あらゆる世代に開かれた美術館にしたいという願いを元にして発案したそうです。ほぼ間仕切りのない天井の高い空間に広がるのは、まるで夢の一場面のような風景。入口の前で静かにしていた子どもたちが、ホールに足を踏み入れたとたん、声を上げながら思い思いに遊びまわる姿はとても印象的です。砂丘に登ってすべり下りたり、キャンプファイヤーの炎に見立てたクッションを投げあったり、街灯をモチーフにしたブランコに乗ったり。おもちゃの類や遊びのルールは一切なく、必要なのは子どもの想像力のみです。

柔らかな色調で整えられたプレイグラウンド内部柔らかな色調で整えられたプレイグラウンド内部

初めて幼稚園生の娘を連れて行ったときは、見慣れない空間に最初はおどおどと歩きまわるだけでした。しかし、壁にかかっているカラフルなコスチュームを身に付けたら一変。私も想像つかない組み合わせにして、「お買い物に行ってきまーす」とテントに入ったり、「ライブする!」とマットレスの上で踊ったりしていました。空調完備、飲食スペースありと親にもうれしい条件がそろっているため、この夏はすでに2回訪問済み。娘はすっかり気に入り、美術館に行く敷居が下がったようです。

今回の展覧会は、日本でも高名なアーティスト兼デザイナーのイサム・ノグチの系譜を継ぐものだそうです。日常の遊び場にアートを持ち込み、彫刻と遊具、公園の造形を一体とした「プレイグラウンド」構想にノグチ氏は情熱を注いだといわれています。制作を担ったアーティスト、ソニア・カゾフスキーは彼の構想を受け継ぎ、K20最大のホールをプレイグラウンドに変貌させました。あくまで個人的な解釈ですが、自然や古代文明にある形を抽象化したような遊具と、空や月、星や宇宙を感じさせるような装飾からその意図を感じられるように思いました。

想像力をかき立てるユニークでカラフルなコスチュームが並ぶ想像力をかき立てるユニークでカラフルなコスチュームが並ぶ

こんなぜいたくな空間にもかかわらず、子どもは入場無料、大人の入場料は5ユーロ。2時間入れ替え制のチケット予約が必要となります。日中の大人の入場は付き添い限定ですが、夜の時間帯には大人向けのガイドツアーなども開催されています。2027年5月9日までの期間限定ですので、ほかにはない遊び場を体験しに足を運んでみてください。

神木 桃子 こうぎ ももこ
日本の食品小売業界で働いた後、2014年に渡独。ハレ、ハンブルク、ボーフムと移り住み、現在はデュッセルドルフに夫と2人の娘と暮らす。趣味はオーガニックスーパーめぐり。
Instagram:@momococo_relife
 
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