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保養地バート・ネンドルフにて 五感を刺激する園芸博覧会

4月29日(水)〜10月18日(日)まで、ハノーファー郊外の街バート・ネンドルフでニーダーザクセン州園芸博覧会(Landesgartenschau)が開かれています。緩やかな地形を生かした会場では色とりどりの花が咲き、くつろぎながら自然を楽しめる特別な空間となっています。

愉快な人物の彫像があちこちにありました愉快な人物の彫像があちこちにありました

人口1万1000人のバート・ネンドルフは、昔から温泉保養地として知られ、病院やリハビリ施設が充実しています。そのため今回の園芸博覧会でも、文化財の保養公園(Kurpark)を中心に、さらに周辺の森や山を整備し、34ヘクタールが会場に。予算3900万ユーロのうち3分の2は欧州連合(EU)や州からの補助金で賄われており、これによって道路などのインフラが整備され、地域の景観が生まれ変わり、街の魅力が増しました。

ハチをテーマにしたコーナーハチをテーマにしたコーナー

この博覧会では、「人間、自然、地球は生き生きとした共同体」をモットーに、多様性を重視したコンセプトを掲げています。6000平方メートル分の遊歩道を再整備し、「パノラマの道」や「香りの道」など、五感を刺激し、自然を身近に感じさせる工夫がされています。爬はちゅう虫類が過ごしやすい乾燥した庭、鳥が住みやすい環境、ハチが好む花が植えられたエリアなどもあり、環境教育の一端も担っています。約30万もの草木や球根、樹木が新たに植えられ、池の周辺では子どもたちが水遊びできるスペースが設けられるなど、家族連れでもにぎわっていました。

小高い丘があり、樹冠の中を歩ける空中回廊も人気です。結婚式を挙げられる場所もあり、ここで挙式すれば一生の思い出になることでしょう。期間中には、オーケストラのコンサートやアクロバットショーなども開催されており、本格的な音楽やショーが楽しめます。 さらに、墓地のデザインコーナーもありました。ドイツ人は花や草木を植えてお墓を美しく飾ることへの関心が高いのか、これはどこの園芸博覧会でも見られる光景です。

芝生の上はくつろぎのスペースに芝生の上はくつろぎのスペースに

この園芸博覧会では、半年間で入場者60万人を見込んでおり、7月時点で30万人以上が訪れました。期間中に何回でも入れる通し券はすでに2万枚売れたとのこと。1日入場券は大人24ユーロ、18時以降の入場券は12ユーロです。あちこちに人物の彫刻作品や木のオブジェがあるのも愉快ですし、ベンチや寝椅子も置いてあるのでゆっくりと過ごせます。

最近、ドイツでは生物多様性を守るため、在来の植物を自然な形で再現しようとする動きがありますが、園芸博覧会でもその流れを受けていると感じました。人工的なものでなく、ありのままの空間に美しさを見出す。自然の中でくつろぐことが好きな人にはぴったりの博覧会だと思いました。

田口理穂(たぐち・りほ)
日本で新聞記者を経て1996年よりハノーファー在住。ジャーナリスト、法廷通訳士。著書に『なぜドイツではエネルギーシフトが進むのか(学芸出版社)』、共著に『コロナ対策 各国リーダーたちの通信簿(光文社新書)』、『夫婦別姓─家族と多様性の各国事情(筑摩書房)』など。
 
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