ドイツの冬といえば、寒い・暗い・長いと悪いイメージが先行しがち。しかしこのマイナスイメージを払拭するかのごとく、人々の心を熱くさせるイベントが多いのもこの季節だったりします。その最大のイベントといえば、そう、クリスマスですよね。デパートなどの店頭には早い時期から色とりどりの飾りや置物、お菓子などが並ぶため、日本よりも長い期間、クリスマス気分を味わえる気がします。
11月初めのある日、フランクフルトのレーマー広場(Römerberg)に巨大な「あるもの」が運び込まれました。それは、クリスマスマーケットでクリスマスツリーとして飾られるトウヒの木です。その高さ30.5メートル、重さ5.4トン。大勢の人が見守る中、慎重に植えられたその木の高さは、すぐ隣の市庁舎をゆうに越えていました。これまでフランクフルトで飾られたクリスマスツリーの中でも、最大のものだそうです。
昨年は、こんな感じに装飾されました
樹齢70年を数えるこのトウヒは、オーストリアのリンツから運び込まれてきました。「あれ?クリスマスツリーってモミの木じゃないの?」と不思議に思った方もいらっしゃるのではないでしょうか。実は「クリスマスツリー=モミの木」というのは日本での話で、ヨーロッパではトウヒ(オウシュウトウヒ)がもっともポピュラー。トウヒは年中緑の葉をつける常緑樹で、生命・希望の象徴として古くから崇拝されていました。モミの木よりも装飾に向いた葉の生え方をしているため、今では日本でもトウヒをツリーとして使うことが増えているようです。
このトウヒはしばらく、木や枝が新しい土地に慣れるためにそのままの姿で置かれ、その後、華やかに飾りつけが行われます。装飾には、リボンや鐘の飾りと共に5000個以上の電球を使用するそうです。今年は、エネルギー節約のためにLED電球が使われるとか。今年のツリーは地球にも優しい光でクリスマスを明るく演出してくれます。すでにオープンしているクリスマス・マーケットにぜひ足を運んでみて!
オーストリアから到着したばかりのトウヒ
ドイツW杯の折に渡独。初めてのドイツ、初めてのヨーロッパの地がフランクフルトでした。昼間から堂々とビールを飲める素敵な文化に魅せられて、1年間の滞在予定が、気がついてみれば3年目突入。こうなったら、次のW杯もドイツで観戦だっ!