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日本映画祭「ニッポンコネクション」

5月2~6日の5日間、今年で12回目となる日本映画祭「ニッポンコネクション」がフランクフルトで開かれました。この映画祭は、もともとゲーテ大学の学生が「構内で日本映画を上映したい」と企画し、立ち上げたものです。旗揚げ当時は珍しかった日本映画がドイツで上映されるとあって、映画関係者やファンの間で話題となり、回を重ねるごとに規模も内容も充実。今では、日本国外で開かれる日本映画祭としては最大規模のものとなりました。

日本映画祭「ニッポンコネクション」
仕事や勉学の傍らで映画祭運営に励む
ボランティア・スタッフ

今回は、長編作品を集めた「ニッポンシネマ」、短編やドキュメンタリーなどのデジタル映像作品を集めた「ニッポンヴィジョンズ」、主に1960年代の作品を集めた「ニッポンレトロ」の3部門構成で、大衆作品からミニシアター系の作品まで計142本もの映画が上映されました。特に「ニッポンヴィジョンズ」では、独自の感性で製作に励む若い監督の作品が紹介されました。

映画のみならず、落語や茶道などの文化イベント、昨年3月の震災をテーマにした発表、以前本誌の「輝け、原石たち」でも取り上げられた在独日本人アーティストのこだまこずえさんによるライブペイントなど、多彩なプログラムが用意されていました。

観客と製作者の距離が近いことも、この映画祭の特徴。製作者自身による作品紹介や、上映後の質疑応答など、活発なやり取りが行われます。私も会場で、『大木家のたのしい旅行 新婚地獄篇』(竹野内豊主演)で招待を受けた本田隆一監督にお話を伺うことができました。3年前にも同映画祭に参加したと言う本田監督。前回の印象がとても良かったので、今回も「またあの楽しい所に行けるのだ」と、訪独を心待ちにしていたそうです。上映中はあちこちで笑いが起こり、「観客が積極的に反応を返してくれたのが嬉しい」と語っていました。

期間中、来場者は1万6000人を超え、大成功を収めたニッポンコネクションは、ボランティアを中心に運営されています。最終上映の前にスタッフ一同が舞台に上がると、観客や関係者から惜しみない拍手が贈られ、観客はもちろん、スタッフがこの映画祭に情熱を注ぎ、楽しんでいることが伝わってきました。日本からのゲストは、スタッフの献身的なサポートによって観客との交流やドイツ滞在を楽しみ、観客は個性豊かな作品を鑑賞し、同時に開催されるイベントによって日本文化への理解を深める。製作者と観客の垣根を越えた交流、日本文化への理解の場として、ニッポンコネクションは、ほかに類を見ない素晴らしい日本映画祭だと思います。

本田隆一監督
ドイツが気に入った。とにかく楽しい5日間だった」と
語る本田隆一監督

ユゴ さや香
2003年秋より、わずか2週間の準備期間を経てドイツ生活開始。縁もゆかりもなかったこの土地で、持ち前の好奇心と身長150cmの短身を生かし、フットワークも軽くいろんなことに挑戦中。夢は日独仏英ポリグロット。
 
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