私の街のレポーター フランクフルト Frankfurt

毎年5月にフランクフルトで開催される「ニッポン・コネクション」は、日本国外では最大級の日本映画祭として知られています。もともとはゲーテ大学の学生が「校内で日本映画を上映したい」と企画したことで始まり、2000年4月に第1回目が開催されました。

2020年の今年は20周年の節目の年ということで、6月9日から14日の開催を目指し、年明けからクラウドファンディングで資金集めを開始。第一目標金額の1万4000ユーロを達成し、3月1日までに1万5000ユーロを超える支援が寄せられました。開催期間中は、映画の上映はもちろん、日本食の販売や日本文化普及に貢献するためのイベントやコンサート、ワークショップや映画製作者とのトークイベントなど、多様な日本文化の紹介に力を入れています。私も毎年会場に足を運び、日本食や日本文化を味わうイベントとして楽しんできました。

ピンクを基調としたロゴデザイン

ところが今年4月になって、新型コロナウイルス感染拡大防止策として、8月末までの大規模イベントが禁止に。数多くのメッセや行事が中止となるなか、ニッポン・コネクションはオンラインでの開催を発表しました。暗いニュースが続く昨今、オンラインでの開催決定に多くの期待が寄せられています。

映画祭期間中は、「ニッポン・オン・デマンド」と題し、動画プラットフォーム「Vimeo」を通して映画を24時間レンタルして鑑賞することができます。長編・短編合わせて70本以上が上映予定。ドキュメンタリーやドラマ、コメディーからアクションまで、幅広いジャンルの日本映画がセレクトされています。この20年間、ドイツで日本映画祭を開催してきた実績を生かし、世界的に評価を受けた大作から、日本人にとっても斬新な秀作まで、独自のラインナップに期待が高まります。また、今年のテーマは「FEMALE FUTERES? -日本における新たな女性像」。日本映画における女性の役割に焦点を当てた作品も数多く提供予定です。

例年にぎわいを見せる会場。今年はオンライン開催で、さらなる参加者が期待される

ニッポン・コネクションといえば、映画だけでなく文化プログラムやワークショップといった日本に関係したイベントも楽しみの一つ。今年もオンラインで、落語の生配信や茶道のワークショップ、映画監督を交えてのパネルディスカッションのライブ配信などがあります。例年通り、日本文化の普及にも注力した、バーチャルでも楽しめるプログラムが満載です。

多くのイベントが中止となるなか、オンラインという方法での開催を決めたニッポン・コネクション。20周年を迎えてさらに新しいことに挑戦し、日本映画と文化普及に貢献するイベントに、ぜひ自宅から参加してみませんか?

ニッポン・コネクション：www.nipponconnection.com