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Do. 18. Jan. 2018

茶道の素晴らしさを伝える新しい形「ティーハウス・エンショウ」

ハノーファーに、日本茶を5種類だけ扱っている小さな店「ティーハウス・エンショウ(Teehaus Enschô)」があります。開店しているのは、火曜日から金曜日の午後だけ。 ほかの日は瞑想や茶道をするスペースとなっており、オーナーのトビアス・ヴェンツェルさん独自の世界が広がっています。

ヴェンツェルさんは14歳の時、ハノーファー市営公園で茶道と出会い、上田宗箇流のディートリッヒ・ロロフさんから習うようになりました。

お点前を披露するヴェンツェルさん
お点前を披露するヴェンツェルさん

ハノーファー市は1983年から広島市と姉妹提携しており、市営公園に広島市が寄贈した茶室「洗心亭」があります。広島発祥の上田宗箇流の茶道が行われており、お稽古のほか、一般向けのお茶会も定期的に開かれています。

茶道を習い始めて早17年経ち、31歳となった今はブリュッセルやロンドンなど各地でお茶を教えています。実際に現地におもむくだけでなく、スカイプで指導したり、映像を使ったりとITを活用。ハノーファーの店舗は、地元に活動拠点を持ちたいと2年前にオープンしました。

煎茶とほうじ茶を各1種類、抹茶を3種類扱っており、茶葉を買いに来た人と話がはずみます。開店時間外には、少人数のグループで瞑想や読経、お点前をしており、自分に合った形で興味のあることをさまざまな人達と深めていこうというものです。

ヴェンツェルさんは「茶道には、ほかでは見付けられない美学がある」といい、 それとともに「自分と向き合う機会でもあるし、心に平静をもたらす」と、茶道の奥深さを実感しています。もちろんいつもそんなことを考えながらしているわけではなく「動きを練習するのが大事」と日々精進。お茶と向き合う姿勢は真摯で、お点前の際、畳敷きの空間はひととき別世界となります。茶道は生活の中にすっかり溶け込んでおり、学童保育で子供達に茶道を教え始めるなど、多くの人とつながりが生まれています。

厳選した日本茶を販売
厳選した日本茶を販売

茶道というと敷居が高いイメージがありますが、ヴェンツェルさんのやり方は現代的。「いろんな人とコミュニケーションしながら、日本人も日本人でない人もみんな一緒にお茶を楽しめればと」という言葉どおり、茶道や仏教、東洋に興味がある人が気軽に集まれるスペースを提供するとともに、ネットワーク作りにも一役買っています。

木の仏像が微笑む横でお濃茶をいただくと、至福の味でした。茶道の素晴らしさを伝えるのは実はシンプルなことだと改めて感じるとともに、文化の伝え方にはこういう形もあるのだと新たな可能性を感じました。

店は火曜日から金曜日、14時から18時まで開店。時間外に行われる読経や瞑想、茶道は事前申し込みが必要になります。

ティーハウス・エンショウ:www.teehausensho.de

田口理穂(たぐち・りほ)
日本で新聞記者を経て1996年よりハノーファー在住。社会学修士。ジャーナリスト、裁判所認定ドイツ語通訳・翻訳士。著書に『市民がつくった電力会社: ドイツ・シェーナウの草の根エネルギー革命』(大月書店)、共著に「お手本の国」のウソ(新潮新書) など。
 
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