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夏の楽しみ、シュレスヴィヒ=ホルシュタイン音楽祭

今年も夏の恒例シュレスヴィヒ=ホルシュタイン音楽祭(SHMF)が、7月11日~8月30日の20日間にわたって開催されました。この音楽祭は1986年の初開催以降、毎年恒例となっていて、期間中はキールやハンブルクを始め、シュレスヴィヒ=ホルシュタイン州の各地で世界中の名音楽家たちの演奏を楽しむことができます。

また同音楽祭は、若手音楽家の育成にも力を入れています。今は亡き指揮者兼作曲家のレナード・バーンスタイン氏によって1987年に設立されたオーケストラ・アカデミーのほか、リューベック音楽大学での一流演奏家の指導を受けられるマイスタークラス、そして2002年以降は毎年、合唱アカデミーが開催されています。

さらに、毎回音楽祭のテーマ国が決められ、その国を代表する作曲家の曲を重点的に取り上げたり、演奏家を招いたりしています。今年は世界的な不況のあおりを受け、自国ドイツがテーマ国になりました。といっても、ドイツはそれこそたくさんの音楽家を輩出している国なので、文句など挙がるはずもありません。(来年は隣国ポーランドの予定です)

さて、私も音楽祭を楽しむべく、家族とともにプロンストオルフ(Pronstorf)のコンサート会場へ。……と、そこはなんと、のどかな田園風景が広がる小さな村の、かつては牛舎だったという建物!そう、SHMFでは通常のコンサートホールのほか、元領主の館や穀物倉庫、造船所、はたまた空港ターミナルなどでコンサートが開かれるのです。

コンサート会場の木造牛舎の中は天井が高く広々として心地良いコンサート会場の木造牛舎の中は天井が高く広々として心地良い

午前中はベルリン・フィルハーモニーの主席オーボエ奏者、アルブレヒト・マイヤー氏の演奏とトークショーでした。マイヤー氏は素晴らしい演奏の合間に、「音楽家にとって必要なものとは? 才能は10%もあれば良く、努力(Fleiß)と意志(Wille)の方が重要」という話から、コンサートでの面白エピソード、また「実は、明後日結婚します」なんていう爆弾発言まで飛び出して、会場を沸かせてくれました。

午前の部が終わると皆、外の草原に敷物やテーブルを広げてピクニックを楽しみ、その後、午後の部のコンサートを聴いて、最後に1杯コーヒーを飲んで帰宅……という丸1日楽しめるイベントでした。ちなみに「うちは子どもがいるから……」というご家族でも大丈夫。3~13歳の子どもたちのためにワークショップが開かれ、大人がコンサートを聴いている間、子どもたちはそこで音楽を楽しむことができます。そして午後の部では、子どもたちが演奏を発表する場も設けられています。

音楽祭の詳細については、www.shmf.deをご覧ください。

コンサート会場となったPronstorfの元牛舎の外観 コンサート会場となったPronstorfの元牛舎の外観

ゼルヒャウ・ハンゼン美穂
福岡出身。2005年に渡独。夫と娘との3人家族。キール・フィルハーモニー合唱団所属の音楽好き。最近凝っているのは家庭菜園。
 
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