Jal2024Feb

ミュンヘンの街とE スクーター事情

ドイツでE スクーターが解禁されてから、ミュンヘンでも頻繁にこのトレンディな乗り物を見かけるようになりました。人々がE スクーターで街を軽やかに駆け抜ける姿を見ると、ついつい注目してしまいますね。アプリを利用して手軽に使えるE スクーターのシェアリング・システムは、観光客にはもちろんのこと、通勤や買い物などで公共交通機関を利用する人にとっても、自宅や目的地までの「ラスト・マイル」の移動手段として便利です。例えばミュンヘンでは、公共交通機関を運営するミュンヘン交通局(MVG)がパートナー企業と共同で市内全域に1300台を提供。駅前やバス停をステーションとして、夜間には市内に散らばったE スクーターを回収して充電し、配置し直すなど、使い勝手の良いシステムを構築しています。

街の景色にすっかり馴染んでいるE スクーター街の景色にすっかり馴染んでいるE スクーター

もちろん、そのほかにも独自のネットワークでシェアリング・サービスを提供する企業が数社あります。個人向けは分単位での課金がメインですが、需要の幅が広がってきているのでしょうか、1時間単位や月単位といった長期利用者向けのレンタル価格を設定している業者も。また、社員のためにE スクーターを用意したい企業は、充電システムの設置やメンテナンスなどを含めた法人サービスも利用できます。

E スクーターの増加を受けて、交通ルールを徹底するために警察による取り締まりもたびたび行われています。11月にミュンヘン市内で実施された大規模な検問では、まだルールの周知徹底には至っていないケースが多く見られたため、「乗り物というよりおもちゃのように認識されている」と報じられていました。

スマートフォンのアプリで簡単に利用できるスマートフォンのアプリで簡単に利用できる

さて、冬の間のE スクーター事情はどうなっているでしょうか?シェアリング運営会社は、全体的には配車数は減らすものの、冬季にも需要があると見込んでいるよう。ただし、路面の凍結や枯葉が溜まって滑りやすくなっていないかなど、安全な走行にはより注意を払う必要があります。「自転車に乗るのが危険と思われるような道路状況なら、E スクーターでも走らないこと」というのが、一般的な判断基準になるようです。

環境と健康のことを考えたら歩くのが一番良いとは思いますが、忙しい都会人にとって、気軽に使えてCO2排出量も少ないとされる Eスクーターは、今後新たな移動手段として市民権を得ていくことでしょう。「車やタクシーを使うほどではないけど歩くにはちょっと遠い」、「少ない荷物で身軽に、自分のペースで自由に動きたい」、「駐車場を探すストレスを避けたい」……。そんなときにE スクーターは良い選択肢になりそうです。私の住む郊外の小さな街ではシェアリング・サービスはまだ普及していませんが、機会があればミュンヘンで試してみたいです。

Yoshie Utsumi
日独の自動車部品会社での営業・マーケティング部門勤務を経て、現在はフリーランスで通訳・市場調査を行う。サイエンスマーケティング修士。夫と猫3匹と暮らし、ヨガを楽しむ。2002年からミュンヘン近郊の小さな町ヴェルトに在住。

 
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