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遊覧船に乗って行く氷の洞窟「アイスカペレ」

観光地としても人気を誇るケーニヒス湖は、大自然の魅力が溢れるベルヒテスガーデン国立公園の中に佇む、とても静かで、透き通った水が美しい全長7キロの湖です。ミュンヘンからのアクセスは車で約2時間、ザルツブルクからは約40分と、オーストリアとの国境沿いに位置しています。

遊覧船の窓から見る聖バルトロメ僧院遊覧船の窓から見る聖バルトロメ僧院

今回は早朝に家を出てケーニヒス湖に到着してから、聖バルトロメ僧院までのチケットを購入し、80人乗りの遊覧船に乗りました。自然を守るためにも、なんと1909年から電動式のボートが導入されています。波に揺られながら、急峻な山々に囲まれた湖を30分かけてゆっくり進んでいきます。

ドイツ語の案内を聞きながら、しばらくキラキラと輝く水面に映る景色を眺めていると、突然、船員によるトランペットの演奏が始まりました。美しい旋律が丁寧に奏でられ、揺れのない真っ直ぐな音が一つひとつ響き渡り、水面や岩壁にこだまして澄んだ音色として返ってくる……そんな至福のひとときでした。人や車が雑多に行き交う都会ではなかなか味わうことのできない感覚で、とても気持ちが良かったです。玉ねぎ型の屋根をした聖バルトロメ僧院が見えてきたところで、船旅も終わりを迎えます。

洞窟を囲む山々の壮大なパノラマ 洞窟を囲む山々の壮大なパノラマ

ここからは、標高2713メートルあるドイツ第三峰のワッツマン山の麓を出発して「氷のチャペル」と呼ばれる洞窟アイスカペレを目指して歩きます。先に腹ごしらえをしたい方は、この地域の名物であるマスの燻製などの魚料理を食べてみてはいかがでしょうか。最初は森の中をゆったりと進む気軽なルートですが、後半の視界が開けたところからゴツゴツした岩場が続くので、足元には注意が必要です。

標高820メートルに位置するアイスカペレは、ドイツで最も低い標高にある、1年中氷に覆われている洞窟といわれています。冬の間に谷底になだれ落ちて蓄積した大量の雪氷が、ワッツマン山の東側の斜面から春になると溶けて流れ出すことによって、大きな空洞ができチャペルのような形になったのだとか。私が行った日は気温が高く、奥の方から氷が溶けて崩れるような音がしていました。危険だと言われたので中には入っていません。しかし、少し離れたところから眺めるだけでもとても迫力がありました。

一年中氷が溶けない迫力大のアイスカペレ一年中氷が溶けない迫力大のアイスカペレ

まだまだ寒い2月中は、洞窟も雪に埋まっていて少ししか見えないかもしれないので、もう少し春らしくなってから行くのがおすすめです。船に乗り、氷の洞窟に向かうという普段とは一味違うこのハイキングコースは、誰でも新鮮な気持ちで楽しめると思います。

大浦 詩織カミラ(おおうら しおり)
ミュンヘン生まれ、10歳ごろから京都育ち。大学卒業後、再びミュンヘンに戻る。もともと異文化教育や日独間のコミュニケーションに興味があり、ドイツのPR会社Storymakerに就職。J-BIG編集部として、在独日系企業の情報発信も行っている。 www.j-big.de

 
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