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ドラマーたちの祭典

ミュンヘン中央駅から地下鉄U1、U7で1駅のシュティーグルマイアープラッツ(Stiglmeierplatz)にあるレーベンブロイ・レストランには、2000人まで収容可能なイベントホール「レーベンブロイ・ケラー」があります。バイエルン料理とビールが楽しめるこのホールで先月、ドラマーのためのイベントが開催されました。これは、多くのプロを輩出している欧州最大のドラマー・スクール「ドラマーズ・フォーカス(Drummer'sFocus)」の設立30周年記念祭。アマチュアからプロまで多数のバンドが集まった4時間超の盛大な祭典に、私も参加しました。

同スクールの生徒層は、下は6歳から、上は60歳を超える方までと幅広く、趣味として習うアマチュアが多いそう。ただ、プロ養成のための教育制度もしっかり整っていて、レッスンは習得レベルごとに10段階に分けられ、上を目指す生徒は年に一度の進級試験を受験します。そして、最終試験の合格者にはドラムの先生の資格が与えられ、この資格はオーケストラの打楽器奏者など、プロとして活動するための証明書として通用します。プロになるための期間は最短で10年ですが、その期間で最高レベルに到達するのはかなり難しいようです。

ドラマーズ・フォーカス 演奏シーン
子どもも大人も、一緒に音楽を奏でます

今回披露されたのは、この学校で練習に励む生徒や卒業生たちによるバンドの演奏。オープニングはラテン系のサンバ・バンドでした。老若男女がそろって奏でる生き生きとした賑やかなリズムが、重厚な建築のレーベンブロイ・ケラーに響き渡ります。観客との距離も近く、会場は熱気ムンムン! 踊り出す観客はいませんでしたが、皆、熱心に聞き入っていました。圧巻だったのは、70人を超えるドラマーが会場全体を使って演奏した「ボレロ(ラベル作曲)」。この大人数で、まるで1つのドラムを叩いているかのような一糸乱れぬ音楽を生み出し、大喝采を浴びていました。

レーベンブロイ・ケラー内部
会場全体がボレロのリズムに包まれた瞬間

その後は今回のプログラムで最年少の12歳の少女によるソロ演奏、若者のロック系バンド、卒業後にプロとして活躍しているバンド、新しい音楽作りを試みているプロジェクト系バンド、バイエルンの民族音楽を取り入れたバンド(一番大きな拍手を受けていました!)、プロのソロ演奏と続き、スクールの活動の幅広さを十分に感じられる内容に大満足。司会は地元のラジオ局ロック・アンテナが担当し、会場を盛り上げていました。

一緒に鑑賞した友人は、8歳の娘へのお土産にドラムスティックを買っていました。将来、この子もプロのドラマーになったりして!?

ドラマーズ・フォーカス:
www.drummers-focus.de

Y. Utsumi
2002年からミュンヘン近郊の小さな町ヴェルトに在住。会社員を経て独立し、現在はフリーランスとして活動中。家族は夫と2匹の猫で、最近の趣味はヨガとゴルフ、フルート。

 

 
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