FacebookツイッターRSS feed
ドイツニュースダイジェスト
バナー
Fr. 31. Okt. 2014

ドクターの診察室
ドクターの診察室: 健康に関する悩み・質問にDr. 馬場が答えます!

家庭の常備薬 (日本とドイツの市販薬)

Eメール 印刷
日本で使用している風邪薬と同じような総合感冒薬は、ドイツでも手に入るのでしょうか。

日本の総合感冒薬の成分とは?

日本の総合感冒薬は大変良くできていて、風邪のほとんどの症状に対応する成分が含まれています。代表的な「バファリン®EX」「ベンザ® ブロック」「ルル®」「パブロン®」「コルゲン・コーワ®」の各シリーズでみると、 主に①解熱・鎮痛薬、②抗ヒスタミン薬、③咳止め、④ 去痰(きょたん)の薬、⑤カフェインが含まれており、さらに⑥ビタミン類、⑦胃薬が加えられているものもあります。

表1 あると便利な家庭薬
症状治療薬など薬局でのドイツ語
発熱 子どもの熱冷まし Fiebermittel
体温計 Fiberthermometer
頭痛・歯痛 痛み止め Schmerzmitttel
胃腸 吐き気止め Mittel gegen Übelkeit
下痢止め Mittel gegen Durchfall
痔の薬 Mittel gegen Hämorrhoidalleiden
けが ばんそう膏 Erste-Hilfe-Pflaster
包帯 Verband
消毒液 Desinfekionsmittel
その他 虫刺され軟膏 Gel für Insektenstiche
筋肉痛の軟膏 Gel für Sportverletzungen

発熱や体の痛みに対して

日本の総合感冒薬には、解熱・鎮痛薬としてアスピリン(アセチルサリチル酸)、イブプロフェン、アセトアミノフェンの内、1~2種類が含まれています。同じメー カーの総合感冒薬シリーズ内でも異なる成分が用いられているものもあります。小児への安全性では、アセトアミノフェン(パラセタモール)が優れています。

咳や痰に対して

ほとんどの日本の総合感冒薬に配合されているコデインリン酸は咳中枢に作用します。さらに気管支に作用するメチルエフェドリンが追加されているものもあります。 痰を取りやすくするブロムヘキシンなどの去痰薬も入っています。

鼻炎症状に対して

日本の総合感冒薬には、鼻水やくしゃみに対して効果のある抗ヒスタミン薬が含まれています。抗ヒスタミン薬は花粉症の治療にも用いられる成分です。エフェドリン製剤も鼻粘膜の血管を収縮させて、症状の軽減に役立ちます。抗ヒスタミン剤は眠くなったり、体がだるくなったりするので、車を運転する前の服用は控えましょう。

総合感冒薬にカフェイン?

カフェインは頭痛を和らげる作用と、抗ヒスタミン薬による眠気の解消のため、総合感冒薬に含まれています。 不眠症の人は、服用の際に留意しましょう。

表2 日本とドイツの市販薬の違い
 日本ドイツ
感冒薬 複数の成分が入った総合
感冒薬が多い
主に症状ごとの単成分
植物からの薬も多い
痛み止め 胃薬、催眠静成分や
カフェインを配合してある
薬も少なくない
多くは単成分
用量 同じ成分でも含まれる
用量は病院薬より少ない
用量の大きいものは
処方せんが必要
植物からの薬 少ない 豊富である
漢方成分の薬 ある ない

ドイツにも総合感冒薬はありますか?

ドイツにも、解熱・鎮痛薬、抗ヒスタミン薬、咳止めなどが組み合わさった「Grippostad®」「Wick DayMed®」「Basoplex®」などの薬があり、薬局(Apotheke)で買い求めることができます。また、「Gute Nachte-Saft」「Wick MediNait®」など夜用に配合成分を変えてあるものもあります。ただし、軽度の風邪症状に対しては、安静と睡眠、ビ タミンCの服用やハーブティーを勧められたり、薬草から作られた鼻炎薬の「Sinupret®」、咳止め薬の 「Bronchipret®」「Prospan®」や、免疫力を高めるとされる「Contramutan®」などが用いられることも少なくありません。

解熱・鎮痛薬 (Fieber- und Schmerzmittel)

日本では、アスピリン製剤の「バファリンA®」、アセトアミノフェン製剤の「タイレノール®」、イブプロフェン製剤の「セデスキュア®」、さらにロキソプロフェン製剤の「ロキソニンS®」などがあります。「セデス・ハイ®」はピリン系です。対応するドイツの市販薬としては、 アスピリン単剤である「Aspirin®」、アスピリンとビタミンC の合剤「Aspirin® Plus C」、アスピリンとカフェインの合剤「Aspirin® Coffein」、イブプロフェン製剤の「Nurofen®」「Dolormin®」、アセトアミノフェンは Paracetamol各社から出ている薬、ジクロフェナク製 剤の「Voltarein®」「Diclofenac dura®」などを薬局で購入することができます。

整腸薬(Darmmittel)

日本では下痢でお腹の調子が悪い時に重宝する乳酸菌製剤の「ビオフェルミン®」や、酪酸菌製剤の「ミヤリサン®」、消化管の動きを抑え、腹痛と下痢を和らげる作用があるロートエキスがあります。ドイツにも似た薬として、乳酸菌製剤の「Lactobiogen®」、発芽酵母 製剤の「Eubiol®」が用いられ、ひどい下痢に対しては ロペラミド製剤の「Lopedium®」「Imodium® akut」、 Loperamid akut各社の薬が使用されます。

胃薬(Magenmittel)

日本では実に多くの種類の胃薬が市販されています。 大きく分けて、胃酸の分泌を抑えるタイプの「ガスター 10®」「三共Z胃腸薬」。胃の動きを抑えて痛みを和らげるタイプの「ブスコパンA®」やパンシロン®製品の一部。消化酵素や胃の動きを良くする成分が含まれ、胃の働きを助けるタイプの「胃腸薬ザッツ®」「タナベ胃腸薬調律®」。また、生薬を中心とした「タケダ漢方胃腸薬」「大正漢方胃腸薬」「太田胃酸®」もあります。ドイツの市販の胃薬には、胃の痛みに対しての「Buscopan®」、「ガ スター10®」と同じ成分の「Famotidin-ratiopharm® 10mg」、植物から抽出した薬の「Iberogast®」、腹部膨満やゲップに対しての「Imogas®」。さらに制酸作用や胃粘膜を保護する各種の薬が市販されています。

便秘薬

日本で用いられる、センノシドを主成分とする便秘治療薬の「新サラリン®」「タケダ漢方便秘薬®」は、 ドイツでは一般的ではありません。日本の「コーラック®」と同じビサコジル製剤「Dulcalax®」「Bekunis Bisacodyl®」、「コーラックソフト®」や「ピコラックス ®」と同じピコスルファートが主成分の「Laxoberal®」「Laxans®」、さらにラクツロース製剤やマグネシウム製剤など多くの種類の薬があります。

痔の薬

日本の「ボラギノールM ®(ステロイドなし)」と「ボ ラギノールA ®(ステロイド入)」は局所麻酔薬を含む軟膏です。ドイツで入手できる同じような軟膏は 「Posterisan akut ® 」。薬草成分を主体とする「Faktu lind®」や「Hametum® Hämorrhoidensalbe」「Haenal ® fact 」なども市販されています。ステロイド含有のものは処方せんが必要です。

筋肉痛と湿布薬

日本では筋肉痛や腰痛時に用いられることが多 く、種類も豊富な湿布薬。ドイツにも、ジクロフェナク(ボルタレン)の鎮痛薬の湿布「Voltaren Wirkstoff- Pflaster®」「IBSA Flector Schmerzpflaster®」や温めるだけの「Hansaplast® ABC Wärme Pflaster」 「ThermaCare®」がありますが、製品種は限られています。むしろ、ジクロフェナクやイブプロフェンがチューブに入ったゲル製剤が多く使われています。

擦り傷や虫刺され

日本で有名なのは「オロナインH軟膏®」です。この軟膏にはクロルヘキシジングルコン酸塩という殺菌作用成分が配合されています。同じものではありませんが、ドイツにもけがや虫刺されに用いる軟膏がありま す。「Hametum Wund- und Heilsable®」は小さな傷や皮膚や粘膜の炎症に、「Zinksalbe(亜鉛華軟膏)」はかすり傷、皮膚の痒みや湿疹に、やけどや虫刺されには 「Brand- und Wundgel Medice®」などが有用です。

常備薬の留意点

日本から持参した薬に対しては、安心感をお持ちのことでしょう。とは言え、有効期限切れになったものは処分しましょう。薬類は外箱・説明書と一緒に直接日光の当たらない、子どもの手が届かない所に保存します。総合感冒薬と湿布薬を除けば、ドイツの薬局にも日本のものと同じような成分・効能の薬が少なからず置いてあります。また、植物成分からなる薬も豊富ですので、試してみてはいかがでしょうか。同じ成分の薬でも、日本とドイツでは用量が異なることがあります。薬について分からないことがある場合には、掛かりつけの医師に尋ねてみるのも良いでしょう。

※今回は、日本とドイツの総合感冒薬、解熱薬、風邪薬、胃腸薬、湿布薬、痔の薬についてお話しました。ドイツでの生活で役に立つ家庭の常備薬(Hausapotheke)については、本誌775号 (2009年7月24日)もご参照ください。

 
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Check
馬場恒春 内科医師、医学博士、元福島医大助教授。 ザビーネ夫人がノイゲバウア馬場内科クリニックを開設 (Oststraße 51, Tel. 0152-05412673)、著者は同分院 (Prinzenallee 19) で診療。

同コーナーでは、読者の皆様からの質問を受け付けています。
ドイツニュースダイジェスト編集部
Fax: 0211-357766 / Email: info@newsdigest.de

バナー
バナー バナー バナー バナー