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旅ールのすすめ - ビールに会いに旅に出よう

山片 重嘉コウゴ アヤコ 1978 年東京生まれ。看護師を経て、旅するビアジャーナリストに転身。旅とビールを組み合わせた「旅ール」(タビール)をライフワークに、世界各国の醸造所や酒場を旅する。ドイツビールにほれこみ1 年半ドイツで生活したことも。「ビール王国」(ワイン王国)、「ビールの図鑑」(マイナビ)、「BRUTUS」(マガジンハウス)など、さまざまなメディアで活躍中。
www.jbja.jp/archives/author/kogo

マイセンのクラフトマンシップを詰め込んだ一杯

「高級磁器マイセン」で知られるドイツの古都マイセン。ザクセン州ドレスデン郊外に位置し、第二次世界大戦の被害を免れた旧市街には歴史的な街並みが残り、中世の面影を漂わせている。街のシンボルは、エルベ川湖畔の丘の上にたたずむアルブレヒト城と大聖堂だ。

アルブレヒト城は15世紀に建てられた後期ゴシック様式の城で、ドイツ最古の宮殿ともいわれている。この城はマイセン磁器の歴史と切っても切れない関係にある。1710~1864年まで城内に磁器工房が置かれていた。また白磁の製法を外部に漏らさぬよう、アウグスト強王が開発者の錬金術師ベトガーを幽閉したというエピソードも。旧市街にある磁器工房と博物館も一見の価値ありだ。今もなお職人の手作業で作り出されるマイセン陶器の優美で繊細な造形には、感嘆の息が漏れてしまうだろう。

そんなマイセンのクラフトマンシップをビールで表現しているのが、シュヴェルター醸造所だ。1460年にはその存在が知られており、ザクセン州で最も古い私設のビール醸造所といわれている。東ドイツ時代には国営化されるも、1990年の再民営化を経て、現在は家族経営で運営されている。

この地で歴代のビール職人らが565年にわたり蓄積してきた知識を、シュヴェルター醸造所では最新の技術と融合している。原料にも注力し、ホップはエルベ川流域とフランケン地方シュパルトで栽培されたものを、麦芽は地元マイセン産を使用。そうして造られる高品質なビールには定評があり、ビールコンペでも数々の賞を獲得している。

「Meissner Schwerter Privat Pils」は、夏の青草やハーブのような爽やかな香りと、パンを連想させる麦芽のふくよかさ。キリリとした苦味が飲み応えを感じさせ、次の一口を誘う。エレガントかつ力強い飲み口で、マイセンの伝統が感じられる一杯だ。

www.privatbrauerei-schwerter.de

vol.104
Meissner Schwerter Privat Pils

Meissner Schwerter Privat Pils

 
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