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旅ールのすすめ - ビールに会いに旅に出よう

山片 重嘉コウゴ アヤコ 東京生まれ。看護師をへて、旅するビアジャーナリストに転身。旅とビールを組み合わせた「旅ール」(タビール)をライフワークに、世界各国の醸造所や酒場を旅する。ドイツビールに惚れ込み1年半ドイツで生活したことも。『ビール王国』(ワイン王国)、『ビールの図鑑』(マイナビ)、『BRUTUS』(マガジンハウス)など、さまざまなメディアで活躍中。
www.jbja.jp/archives/author/kogo

修道院生活に思いをはせる黒ビール

エシュヴェーゲは、ヘッセン州北東部、テューリンゲン州との州境近くに位置する人口約2万人弱の小さな街。旧市街には木組みの伝統的な家屋が立ち並ぶ。派手さはないものの、観光地化されていない静かな街の雰囲気を味わうことができる。

この街のビールの歴史は古く、1369年にはアウグスティーナ修道院で造られたビールが市民に販売されていたという記録が残っている。修道院は欧州のビール醸造技術と文化の発展に大きな役割を果たしてきた。中世のキリスト教では、イースター前の40日間に当たる四旬節の期間、固形物を口にしてはならないという戒律があった。

一方で液体の摂取は許されていたため、修道士たちはエキス分が高く、それに伴ってアルコール度数も高いビールを修道院内で醸造し、栄養源として飲んでいたのだ。修道院という閉ざされた環境の中で醸造技術や知識が蓄積され、次第に高品質なビールが生み出されるようになったのである。

修道院生活に思いをはせる黒ビール

アウグスティーナ修道院は1527年の世俗化によって解散されたが、現在もその跡地でビールを醸造しているのが、エシュヴェガー修道院醸造所(Eschweger Klosterbrauerei)だ。同醸造所は1839年に別の場所で創業、1875年に修道院跡地を買い取って改装し、現在に至っている。

見学ツアーでは、石造りの階段やアーチ状の地下室など、当時の面影を随所に感じられる。ひんやりとした石造りの空間でビールを試飲していると、修道士たちの時代に思いを巡らすことができる。栄養価の高いビールは、厳しい断食生活の中で、さぞかし彼らの心身を支えていたに違いない。

「Jacobinus Schwarzbier」は、黒色になるまで強く焙煎した麦芽を一部に使用したビールで、その名の通り、深い黒色をしている。カカオを思わせる香ばしさがありながら、後口はすっきりとしている。

vol.111
Jacobinus Schwarzbier

スタイル:シュヴァルツ
原材料:大麦麦芽、ホップ
アルコール度数:4.9%

Jacobinus Schwarzbier

醸造所名 Eschweger Klosterbrauerei GmbH(エシュヴェガー修道院醸造所)
創業年 創業年 1839年
住所 Thüringer Str. 19, 37269 Eschwege Premium Pils、Helles、Dunkles、Jacobinus Hefe Weizen、Jacobinus
その他のラインナップ Zwickl、Jacobinus Radler
URL http://www.eschwegerklosterbrauerei.de/
●通販可
 
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