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旅ールのすすめ - ビールに会いに旅に出よう

山片 重嘉コウゴ アヤコ 1978年東京生まれ。杏林大学保健学部卒業。ビール好きが高じて2008年から1年半、ミュンヘンで暮らす。旅とビールを組み合わせた“旅ール(タビール)をライフワークに世界各国の醸造所や酒場を旅する。ビアジャーナリストとして『ビール王国』(ワイン王国)、『ビールの図鑑』(マイナビ)、『Coralway』(日本トランスオーシャン機内誌)など、さまざまなメディアで執筆。 www.jbja.jp/archives/author/kogo

伝統的醸造所のビアソムリエが造るクラフトビール

アウグスブルクはバイエルン州の南西部にある都市。街の創建は紀元前15年といわれており、トリアーに次ぐドイツで2番目に古い都市だ。都市の名はローマ皇帝アウグストゥスに由来する。イタリアとドイツを結ぶ交易の街として盛隆を極め、中世には皇帝をも意のままに動かすほどの財力と権力を手にしていた。17世紀に建てられた市庁舎は、当時の贅を尽くしドイツ・ルネッサンスの最高傑作と名高い。黄金のホール(Goldener Saal)の燦然と輝く天井とフレスコ画は必見だ。豪商フッガー家によって1521年に設立されたドイツ最古の社会福祉住宅(Fuggerei)は、一部を博物館として公開しつつ、現在も低家賃アパートとして機能している。ドイツの福祉の先駆けになった街としても興味深い。

そんなアウグスブルクで1386年からビールを造っているのがリーゲレ醸造所だ。オーナーのセバスティアン・P・リーゲレ氏は2011年のビアソムリエチャンピオン。ドイツの伝統的な手法を大切にしつつ、創造的なビール(クラフトビール)を製造するRiegele BierManufakturのブランドラインを立ち上げた。「Robstus 6」はその一つ。英国発祥の「ポーター」というスタイルのビールで、上面発酵酵母を使いロースト麦芽の芳醇な香りが特徴だ。荷物運搬人(ポーター)が好んで飲んでいたことから名付けられたとも言われている。

このシリーズではクラフトビールに馴染みの薄い人達でも手に取りやすいように、裏のラベルに香りや味わい、飲み頃温度、原材料が詳しく表記されている。そこから6種類の麦芽とアイリッシュエール酵母を使用し、複雑な味に仕上げていることを読み取ることができる。

口に含むとチョコレートケーキやコーヒーを連想させる香りにうっとり。ローストされた麦芽と大麦のほろ苦さの後ろにホップの爽やかな苦味も感じられる。高級感のあるビールだ。

vol. 12
ROBUSTUS 6

www.riegele.de

ROBUSTUS 6

 
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