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ドイツ、「米頼み」核抑止に危機感=ロシアの脅威受け議論活発化―トランプ氏復権も警戒

【ネルフェニヒ(ドイツ) 7月10日 時事】第二次大戦や東西冷戦の歴史から反核運動が盛んなドイツで、米国に依存した核抑止体制を見直す機運が生まれている。ロシアのウクライナ侵攻に加え、同盟軽視の傾向が強いトランプ前米大統領の返り咲きが現実味を帯びつつある中、米国の「核の傘」の信頼性低下に危機感を強める人が増えていることが背景にある。

◇根強い反対感情
「みんなが核ミサイルのひどさを知っていて良かった!」。独西部ネルフェニヒで6日、国際NGO「核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)」独支部のメンバーら約50人が、デモ行進を繰り広げた。参加者は近くの空軍基地に向かい、門の前で抗議。基地には米国の核爆弾運搬を担当する独軍部隊が駐留しているという。

ドイツには北大西洋条約機構(NATO)の「核共有」の枠組みで、米国の核爆弾「B61」が配備されている。一方で、第二次大戦後に長く東西に分断され、そのどちらにも核兵器が置かれていた歴史から反核感情は根強く、核共有の廃止論も繰り返し持ち上がってきた。

ICAN独支部のマリアン・ロッセ事務局長は、取材に「核兵器を受け入れることで、自らを敵の標的にしてしまっている」と指摘。ナチス時代のユダヤ人大虐殺(ホロコースト)に触れ、「ドイツは二度と人道に対する犯罪に関与してはならない」と訴えた。

◇世論に変化
だが、ロシアの脅威の高まりを受け、国内世論は変化しつつある。ウクライナ侵攻開始後の2022年5~6月に独調査機関インフラテスト・ディマップが実施した世論調査では、米国との核共有への支持が52%に上り、初めて過半数を占めた。

トランプ政権が再来し米国頼りの核抑止が機能しなくなる事態を懸念する声は、ショルツ政権内からも上がる。中道・自由民主党(FDP)党首のリントナー財務相は今年2月、独紙への寄稿で「どのような政治的・財政的条件の下なら、英仏は集団安全保障のために自国の戦略的能力を維持・拡大しようとするだろうか」と提起。核保有国の英仏が米国に代わり核の傘を提供する可能性を模索すべきだとの考えを示した。

フランスのマクロン大統領も、自国の核兵器を欧州全体の防衛に活用する考えに繰り返し言及している。ただ、7日に決選投票が行われた同国下院総選挙で政権を支える中道与党が敗北。次の内閣の陣容は現段階で白紙だが、最大勢力となった左派が主導する可能性は十分あり、マクロン氏が27年の任期末までにこうした大転換を実現できるかは不透明だ。
 
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