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コロナに負けず開催中「日独交流160周年展覧会」

新型コロナウイルスの感染拡大により、観光客が消えてしまったベルリンのポツダム広場。その一角で、今年1月25日~9月18日まで行われている展覧会があります。ベルリンの独日協会が主催する「日独交流160周年展覧会」です。

多くの作品が待合室に掲げられています多くの作品が待合室に掲げられています

会場となっているのは、ポツダム広場のすぐ近くに立つGesundheitszentrum(健康センター)。内科・外科・皮膚科・歯科など、幅広い治療が受けられる総合医療施設であるこの建物内に、日本人10名とドイツ人12名による美術作品が展示されています。

内容は非常に幅広く、油絵やアクリル画、水墨画をはじめ、オブジェや芸術写真、そして書に至るまで、選りすぐりの作品たちが一堂に会しました。多くの作品は待合室の見やすい場所に展示されていて、診療を待つ人々の目を楽しませています。筆者としても、パンデミックで美術館に行く機会が減ってしまった今、こうした場所で芸術に触れられるのは非常に有意義な体験だと感じました。

作品を熱心に見入る人の姿も作品を熱心に見入る人の姿も

また、今回の展示は「販売展」であり、作品のほとんどは購入することが可能です。気に入った作品を購入することで、この困難な時期を生きるアーティストたちを直接支援できるのは、とても良い仕組みだと思いました。

ドイツと日本の交流は、まだ日本が江戸時代だった頃にさかのぼります。1861年1月24日、江戸まで遠征に来ていたプロイセン王国の特派行使が、江戸幕府との間に修好通商条約を調印。後にドイツ北部連邦諸国との間にも同様の条約を結び、ドイツと日本の関係はより一層深まっていくことになります。

2021年は修好通商条約の調印から160周年の記念年に当たり、数多くの催しが計画されていました。それらの多くが、コロナ禍の影響で中止や延期になったり、オンラインでの開催に変更されたりしたなかで、このような形で展覧会が開催までこぎつけたことは特筆に値します。

ポスターが掲示された健康センターの入口。奥には作品も見えますポスターが掲示された健康センターの入口。奥には作品も見えます

とはいえ、昨今のコロナウイルス感染者数の増加を受けて、多数の人々が集まる華やかなオープニングパーティーの開催は見送られました。感染者数が順調に減少した場合、秋の閉会に合わせてのクロージングパーティーが実施される予定です。

作品の鑑賞は無料で、健康センターの開館時間と同じく、月曜日から金曜日の8~20時までの間に見学できます。健康センター内に入る際のルールは随時変更される可能性があるので、入館前には最新の情報を確認するようにしてください。

コロナにも負けずに開催されたこの展覧会は、これまでの両国関係の振り返りと、未来へのさらなる関係発展のきっかけとなることでしょう。お近くに来られた際は、ぜひ立ち寄ってみてくだい。

 
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中村さん中村真人(なかむらまさと) 神奈川県横須賀市出身。早稲田大学第一文学部を卒業後、2000年よりベルリン在住。現在はフリーのライター。著書に『ベルリンガイドブック』(学研プラス)など。
ブログ「ベルリン中央駅」 http://berlinhbf.com
守屋健(もりやたけし)
ドイツの自動車、ビール、そして音楽に魅せられて、2017年に渡独。現在はベルリンに居を構えるライター。健康維持のために始めたノルディックウォーキングは、今ではすっかりメインの趣味に昇格し、日々森を歩き回っている。
守屋 亜衣(もりや あい)
2010年頃からドイツ各地でアーティスト活動を開始し、2017年にベルリンへ移住。ファインアート、グラフィックデザイン、陶磁器の金継ぎなど、領域を横断しながら表現を続けている。古いぬいぐるみが大好き。
www.aimoliya.com
佐藤 駿(さとう しゅん)
ドイツの大学へ進学を夢見て移住した、ベルリン在住のアラサー。サッカーとビールが好きな一児のパパです。地元岩手県奥州市を盛り上げるために活動中。
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