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技術コレクション博物館で 第19回タワー祭り開催

ドレスデンには聖母教会や十字架教会、市庁舎などをはじめ、多くの教会の塔が並んでいます。中でも、「あのタワー」と言えば道案内ですぐに分かるほど親しまれているのが、シュトリーセン地区にある「技術コレクション博物館(Techniche Sammlungen)」の上の高さ48メートルのタワーです。ここでは年に1回、「タワー祭り」と呼ばれるお祭りが行われています。

技術コレクション博物館
博物館のシンボルのタワー

今回で19回目を迎える「タワー祭り」は、博物館の50周年記念のお祝いも重なり、前宣伝の効果もあって、5月29日の暑い日曜日ににぎやかに開催されました。この博物館の前身は、ハインリッヒ・エルネマン(1850–1928)が創立したカメラおよび上映機材の製造工場で、3000平方メートルの敷地に、1898年に建設。その後、1923年には建物の上にタワーが増築されました。

タワー祭りに合わせて様々な特別展示が準備されましたが、何といってもメイン会場は中庭のステージです。かつては荷物下ろしのために使っていたのでしょうか、屋外の屋根付き施設には古い滑車がまだ残っており、屋根のトラス架構(三角形を単位として組まれた構造)が印象的です。その場所が今回はステージとして利用されました。

ステージは、バースデーコンサートからスタート。東ドイツ時代から人気のある、ドレスデン近郊出身の作曲家であり歌手のゲルハルト・シューネさんが、おなじみのベレー帽姿で登場。そしてその後、4人の若き女性たちによる空中アクロバットの披露へと続きました。アクロバットの女性たちは、上から吊るされたカーテンのような布に体を巻きつけ、腕力のみで技を次々と披露。鍛え抜かれた体はたくましく、命綱なしのハラハラドキドキのアクロバットに、観客からは盛大な拍手が送られていました。

後半は小学生によるダンスおよびサーカスの披露が行われました。サーカスやダンスの協会が、学校で放課後のクラブのような活動をサポートしており、市内で催されるこのようなお祭りが発表の場となることが多くあります。こういうケースを見るたびに、市民生活のあらゆるシーンが縦横無尽にリンクし、地域の活性化や特色化につながっているのだなぁと感じます。

さて、小学生の子供といっても侮れません。綱渡りやボールの上に乗ってバランスをとる様は、すでにサーカスと呼べるほどです。週1回程度の練習で玉乗りや綱渡りをこなせるようになる習得スピードの速さに感心します。

玉乗り
玉乗りを披露するレオパードに扮した女の子

この子供たちが大きくなる頃には、技術コレクション博物館はさらに20歳ほど年月を重ねているかもしれません。技術分野におけるたゆまぬ進歩を願い、 会場を後にしました。

www.tsd.de

福田陽子さん福田陽子
横浜出身。2005年からドレスデン在住。ドイツ人建築家の夫と娘と4人暮らしの建築ジャーナリスト。好奇心が向くままブログ「monster studio」公開中。
http://yoyodiary.blog.shinobi.jp/
 
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