Hanacell

エネルギーを生み出す!未来の住宅

暑い。今年の夏はとにかく暑い。この猛暑も地球温暖化の影響か・・・・・・と憂いていたところに舞い込んできた1つの講演イベントのお知らせ。「ドイツ国内の住宅省エネ化政策とプラスエネルギーハウス」がテーマとは、まさに今の興味とぴったり重なり、7月14日、「プラスエネルギーハウス」を会場に行われた日独産業協力推進委員会(DJW)とエコセンター・NRW共催の同イベントに駆けつけた。

まず、プラスエネルギーハウスとは何か。現在、「うちは電気代もガス代も支払っていないよ」という家庭は皆無だろう。快適に暮らすためには、暗くなったら電気を付けるし、寒くなったら暖房を付ける。テレビだって見る。そしてそこで必要とする電気やガスは電力会社やガス会社から購入するのが一般的だ。そう思っていた。しかし、私の知らないところで省エネ技術は格段の進歩を遂げ、「エネルギー生産-エネルギー消費=プラス」を実現してしまった。これが、「プラスエネルギーハウス」という最新の省エネ住宅の名前の由来。電気代などを支払うどころか、余ったエネルギーを電力会社に売ることも可能という夢のような住宅なのだ。

プラスエネルギーハウス
クンストパラスト美術館の庭園内に出現した
プラスエネルギーハウス

どのようにして「プラス」を実現するのか、なぜこういった動きが活発なのか、湧き上がる疑問に応えるように、「エコセンター・NRW」(ハム市を拠点にエコロジカル建築の推進や人材育成とプランニングの活動をしている民営団体)の永井宏治さんが講演の中で説明してくれた。

広く知られているように、二酸化炭素を含む温室効果ガスは温暖化の原因の一部である。建物からの二酸化炭素排出量は全体の37%、さらに住宅の暖房だけで17%もの割合を占めている。つまり、この部分が大幅に改善されれば、環境に対する負荷も効果的に削減できるというわけだ。これが、省エネ住宅を開発する大きな動機となっている。しかも、エネルギーコストがカットされれば懐にもやさしく、一石二鳥。

では、どうやってプラスにエネルギーを生み出しているかというと、気温によって性質が変化する断熱材や3層、4層の窓ガラスによる断熱対策、屋根やブラインドなどあらゆるところにソーラーパネルを組み込み、太陽エネルギーを有効利用するなど、最新の技術とアイディアがふんだんに活かされている。

質疑応答では、「いつ頃から市場に出回るのか?」「値段は?」など、プラスエネルギーハウスを実生活に待ち望む声が続出。さて、研究段階にあるというこちらの物件、お値段はざっと1億4千万円!! 百聞は一見にしかず。未来の住宅を先取りしたプラスエネルギーハウスをぜひ、訪れていただきたい。

Das Plus-Energie-Haus(入場無料)
デュッセルドルフ: 10月4日(月)まで
ハノーファー: 11月1日(月)~2011年2月28日(月)

www.plus-energie-haus.bmvbs.de
www.oekozentrum-nrw.de/807.html

エコセンター・NWR、永井さん
エコセンター・NWR、永井さん「自動車の燃費を考える
ように、住宅の燃費についても考える必要がある」と語る

編集部 T
お米の名産地出身のため、日本酒をこよなく愛する。せっかくヨーロッパの真ん中にいるのだからビールやワインなどにもテリトリーを拡大し、世界の酒を語れる素敵なレディになるのが夢。座右の銘「酒は飲んでも呑まれるな」
 
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