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JAL
Mi. 12. Aug. 2020

福島の子どもたちが結んだ日独の「絆」

小雨が降るグラウンド上を子どもたちが元気に走り回る。ドイツではごく見慣れた風景だけれど、参加する子どもたちは、「久しぶりに思いっきり遊んだ」「雨でも関係ないって、気持ち良い!」と歓喜の声を発する。ドイツ人と一緒に遊んでいるその声の主は、福島県から来た子どもたち。彼らは、デュッセルドルフに隣接するノイス市で8月2~9日、約1週間のホームステイを体験していたのです。

子どもたち
「言葉がうまく伝わらなくても、通じ合えたよ」と
ドイツでの出会いを喜んだ子どもたち

3月11日、日本を襲った大地震は、被災地に住む人々の生活を根底から変えるものでした。東日本大震災のニュースが世界を駆け巡り、各国から援助の手が差し伸べられていたとき、福島県とおよそ10年来のパートナー関係にあったノイス市のスポーツ連盟「RHEIN-KREISNEUSS」も動き出していました。

「私たちは、震災後すぐに日本の友人に連絡を取りました。彼らのためにできることは何か。募金や物資の支援のほかに、我々だからこそできることをしたいと考え、今回のプロジェクトに辿り着きました。厳しい現実を生きる子どもたちに、ほんのひと時でも震災のことを忘れ、心身をリフレッシュする時間をプレゼントする。それは意味のあることだと思ったのです」と、同スポーツ連盟会長でプロジェクトの発起人であるラングさんが言うとおり、震災の被害に加え、原発事故に伴う被ばくの危険にさらされている福島の子どもたちの日常生活に、今なお緊張と制限が付きまとっていることは、冒頭の子どもたちの発言からも察することができます。

今回のプロジェクトに参加したのは、福島県内のスポーツクラブに所属する中学生の少年少女20名。テニスや屋内スキー、水泳にサイクリングと、日替わりのスポーツ・プログラムに参加し、それ以外の時間はそれぞれホストファミリーの元でドイツ文化に触れる。そんな密度の濃い1週間の全日程を終え、開かれたお別れ会におじゃました私は、そこで笑顔いっぱい、元気いっぱいの子どもたちに出会いました。

お別れ会
お別れ会では、ホストファミリーにお茶を振る舞い、お礼をした

「たった1週間。でも、子どもたちがどんどん変わっていくのが分かりました」。日本側の団長を務める佐藤さん(うつくしま総合型スポーツクラブユニオン副会長)は、そう言って今回のプロジェクトの成功を喜び、子どもたち自身もドイツで自分たちの中に起こった変化を自覚しているようでした。

「また、絶対ドイツに来たい」「今度は私たちが皆さんを日本にご招待したい。そうできるように、これから福島でがんばります」

そう、ホストファミリーに約束する子どもたちの力強い言葉に、大人たちも笑顔を取り戻します。今回のプロジェクト名は、「うつくしまBande(絆)ドイツ派遣事業」。今後の日本とドイツを担う子どもたちの存在は、未来の希望だと実感させてくれました。

編集部 T
お米の名産地出身のため、日本酒をこよなく愛する。せっかくヨーロッパの真ん中にいるのだからビールやワインなどにもテリトリーを拡大し、世界の酒を語れる素敵なレディになるのが夢。座右の銘「酒は飲んでも呑まれるな」
 
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