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野外で楽しむ「もじゃもじゃペーター」の世界

頭はぼさぼさ、両手のつめは伸び放題。フランクフルトが産んだこのキャラクターをご存知でしょうか? 日本では「ぼうぼうあたま」や「もじゃもじゃペーター」という名で知られる絵本のキャラクターです。子どもの頃、読んでもらったという記憶のある方も少なくないと思います。この絵本を描いたのが、19世紀にフランクフルトで精神科医をしていたハインリヒ・ホフマンという人物。彼が息子へのクリスマスプレゼントとして描いたこの絵本が、時を経て今なお世界中の子どもたちに親しまれています。

この絵本は10話から成っており、各話で個性的な主人公が登場します。しかし、その全員が世間一般で言う「悪い子」。そんな彼らが悪さを重ねた結果、行方不明になったり、怪我を負ったり、死んでしまったり……というかなりブラックユーモアに富んだ作品です。「言うことを聞かないとこんな風になっちゃうよ」という教訓が盛り込まれているのでしょうが、普通の絵本に慣れ親しんだ子どもにはちょっと刺激が強すぎる気もします。だからこそ、大人になっても記憶に残る作品なのかもしれません。

今年は彼の生誕200年にあたり、フランクフルトでは「Heinrich-Hoffmann-Sommer」と称して様々な関連イベントが行われています。この一環として、彼の誕生日である6月13日に「もじゃもじゃペーターの小道」が開通しました。市内各所に絵本の中の各物語をモチーフにしたポイントを設け、それぞれの話に合った見せ方をするというものです。

レーマー広場にあるペーターの標識
レーマー広場にあるペーターの標識。
この裏には黄色い髪の毛に覆われた歴史博物館があります

たとえばレーマー広場では、絵本のメイン・キャラクターである「もじゃもじゃペーター(Struwwelpeter)」をピックアップ。彼の髪の毛にちなんで、広場にある歴史博物館(Historisches Museum)が黄色のもじゃもじゃ毛で覆われています。またハウプトヴァッヘ(Hauptwache)がテーマとする話は「ゆびしゃぶりこぞうの話(Die Geschichte vom Daumenlutscher)」。ゆびしゃぶりの癖が直らない子どもには耳が痛いこの話が、1日中スピーカーから流れてきます。食い物横丁(Fressgasse)は、「スープ・カスパーの話(Die Geschichte vom Suppen-Kaspar)」がテーマ。歪み鏡が置かれ、しっかりご飯を食べない子どもの将来の姿を映します。さらに、最後の話である「空飛ぶロベルトの話(Die Geschichte vom fliegenden Robert)」を扱っているのはフランクフルト国際空港。親が止めるのも聞かず嵐の中を出かけてしまい行方不明になったロベルトを、ここで発見できるかもしれません。

設置されているポイントは全部で10個。どのお話がどのように表現されているか、探しながら散策するのもおもしろいですよ。

絵本の世界が表現されている銅像
絵本の世界が表現されている銅像。Hauptwache駅 近くにあります

石野 あやか(いしの あやか)
ドイツW杯の折に渡独。初めてのドイツ、初めてのヨーロッパの地がフランクフルトでした。昼間から堂々とビールを飲める素敵な文化に魅せられて、1年間の滞在予定が、気がついてみれば3年目突入。こうなったら、次のW杯もドイツで観戦だっ!
 
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