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お金について学ぼう

世界中を襲った金融・経済危機により、良くも悪くもお金についての話題が増えつつある昨今。特に海外に住んでいる場合は、当地通貨の価値にも敏感にならざるを得ません。かく言う私も、ドイツに滞在している間にユーロ高から円高にシフトしてしまい、なぜか損した気分に襲われている1人です。こんな時代だからこそ、お金について改めて知っておくべきと思い立ち、先日、「ドイツ連邦銀行貨幣博物館(Geldmuseum der Deutschen Bundesbank)」に行ってきました。

入場料無料が嬉しいGeldmuseum der Deutschen Bundesbank
入場料無料が嬉しいGeldmuseum der Deutschen Bundesbank

展示場に入るとまず目を引くのが、牛のはく製。「え? ウシ??」郷土博物館と間違えたかと思いきや、これはお金の歴史を語る展示物の1つ。通貨が現れる以前、人は自分の持っているモノと物々交換することで欲しいモノを手に入れていました。その後、誰もが価値を共有できるモノを媒介して欲しいモノを手に入れる物品貨幣の時代が訪れます。この媒体に使われていたのが牛などの家畜や貝、塩でした。これがお金の始まりとされ、その後、金属貨幣が誕生しました。

博物館には、世界の古いお金も展示されています。約2600年前に使われていたオスマン帝国のコインや、世界最古の紙幣といわれる約1000年前の中国紙幣、クレオパトラの顔が刻印されたコインなど珍しいものがたくさん。特にコインには、その時代や地域を代表する人物や建物が精巧に刻印されており、美術品を眺めている感覚に陥りました。

ドイツでは、お金の信頼が一気に低下した時代がありました。ご存知、ハイパーインフレーションです。1914年に1ドル=4.2マルクだったドイツマルクが、約10年後には1ドル= 4兆2億マルクにまで大暴落。この結果、喫茶店でコーヒーを1杯飲むためにトラック1杯分のマルク紙幣が必要だったなど、笑い話のようなことが現実に起こりました。その頃の様子が写真や映像とともに詳しく説明されています。劇場の看板に「チケット1枚:卵2つ」と書かれた写真を見て、「ここまでお金に信用がなくなると、物々交換の時代に戻るんだなぁ」と妙に感心してしまいました。

展示の最後を飾るのは偽札。お金の歴史は偽札の歴史でもあり、古くから偽札はあらゆる技術を駆使して作られていたようです。時代とともに偽札技術が高度化する中で、特にヨーロッパ中で使えるユーロは格好の標的となっているのではないでしょうか。私も1度だけ偽2ユーロのコインに出会ったことがあります。ここでは、これまで見つかった偽札や偽コインの展示と併せて、偽札を見破るポイントなども紹介されています。

www.geldmuseum.de

偽札を見極めるチェックポイントはここ!
偽札を見極めるチェックポイントはここ!

石野 あやか(いしの あやか)
ドイツW杯の折に渡独。初めてのドイツ、初めてのヨーロッパの地がフランクフルトでした。昼間から堂々とビールを飲める素敵な文化に魅せられて、1年間の滞在予定が、気がついてみれば3年目突入。こうなったら、次のW杯もドイツで観戦だっ!
 
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