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クラブでテクノミュージック

ドイツの音楽と言えば、やはりクラシック。「ドイツ三大B」のバッハ、ベートーヴェン、ブラームスらクラシック音楽史上に名を残す作曲家や演奏家を多数輩出してきたこの国には、今なおクラシック音楽を学びに来る人が後を絶ちません。一方でドイツは、テクノミュージックの発祥地としてもその名を馳せています。テクノミュージックとは、シンセサイザーやリズムマシンなどの電子楽器を使って演奏する音楽で、1970年代にKraftwerkというテクノバンドがこのスタイルを確立したと言われています。日本でもYMOや電気グルーヴ、Perfumeなどの活躍により、その音を耳にする機会もあるかと思います。

テクノと聞いて真っ先に思い浮かぶのは、「ラブパレード」。世界中からテクノファンが集まる世界最大のレイブです。元々はベルリンの6月17日通りを、サウンドシステムを載せたトレーラーが行き来するパレード(政治的デモ行動)でしたが、様々な問題が生じたため、2006年を最後にベルリンでの開催が中断。その後、ルール地方の各都市が持ち回りで開催していましたが、今年デュイスブルクで起こった悲劇により、今後のドイツ国内での開催は絶望的と言われています。

フランクフルト
永続的な中止が決定したラブパレード

どうしてもテクノの中心はベルリンと思われがちですが、実はフランクフルトはテクノの隠れメッカとなっています。現在ベルリンで活躍するDJにはフランクフルト出身者が多く、毎年8月に開催される日本のテクノイベント「WIRE」でも、フランクフルトのDJが数多く名を連ねています。

週末の深夜、若者たちが集まるクラブでDJが流す音楽は、やはりテクノミュージックが主流。数あるこの街のクラブの中でも、最も有名なのが「Cocoon Club」でしょう。施設という点では世界一と言う人もいるほどの凝った造りは一見の価値ありです。また、街の歩道に突如現れるコンクリートの箱が入り口の「U60311」も主要クラブの1つ。入り口前には、いかついセキュリティーのお兄さんが立ち、フロアは地下ということで入り難さは否めませんが、フランクフルトのクラブシーンを語るには外せない場所です。そして極めつけは、フランクフルト郊外オッフェンバッハにある「Robert Johnson」。元々はボートハウスだった建物を改築して作られた、マイン川に面するこの“ハコ”は、世界でも有数の「音の良い」クラブとして評判で、有名DJがこぞってここでの演奏を希望するそうです。質の高い音楽を提供する場所には質の高い客が集まるということで、女の人でも安心して行くことができるのも嬉しいです。

クラブ系の音楽はアンダーグラウンド的な要素が多く、広く一般には受け入れられ難い分野ではありますが、ドイツ文化の1つとして足を踏み入れてみるのもまた一興かと思います。

石野 あやか(いしの あやか)
2006年のサッカーW杯ドイツ大会にタイミングを合わせて初渡独。国内外への交通の便の良さと、ほどよい田舎臭さを併せ持つフランクフルトから離れられなくなっている、ビールと旅行が大好きな不良主婦。
 
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