Hanacell

ゲーテ大学、ボッケンハイム・キャンパスが移転

ドイツ国内有数の名門大学に数えられ、フランクフルト市民の誇りでもあるヨハン・ヴォルフガング・ゲーテ大学。1914年にフランクフルト市民の寄付金によって創立された大学でここ数年、数々の教授職や賞が企業、市民、公的機関によって設けられ、その伝統を改めて知らしめています。また、特に未来指向型研究の各分野においてトップクラスの業績を誇り、ドイツの大学をリードする地位を築いています。

このたび、その創立校であるボッケンハイム・キャンパスが100周年を迎えた直後に当たる2015年を目途に、校舎を移転することになりました。現在のボッケンハイム・キャンパスにある各学部(法学、経済学、教育学及び社会科学)は、順次ヴェストエンドとリードベルクのキャンパスにそれぞれ移転する予定です。

ボッケンハイムは約8k㎡に約3万3000人が住む、市内でも人気の地区です。西にゲーテ大学、南にはフランクフルトメッセを有し、ドイツ初の空港(現在は公園になっています)があったのもこの地区です。大学から北西方向に約1km延びるライプツィガー通りには大小様々なお店が軒を連ね、流行りのビオ・ショップやドラッグストア、そしてトルコ系の八百屋、イタリア系の食材店などに混じって、自家焙煎のコーヒー屋、創業約200年の薬局、本屋、ケーキ屋、小劇場など昔ながらのお店も残っており、どこか懐かしい商店街の雰囲気を醸し出しています。

フランクフルト
ヨハン・ヴォルフガング・ゲーテ大学
ボッケンハイムキャンパス

大学の移転後はその跡地を中心にボッケンハイム全体で大規模な街の改造計画が進行中。次々と近代化する近隣地区から取り残されていたボッケンハイムへのテコ入れが、ついに始まるといったところでしょうか。現段階では大学の跡地を東西に二分し、西側を居住区、東側を商店や会社事務所などの商業区として、その真ん中に既存のライプツィガー通りを延長する計画があります。これにより、ここ数年やや停滞気味となっている商店街に活気を取り戻す狙いもあるようです。また、音楽や演劇、ダンスなど芸術関係の学校を建てる“カルチャー・キャンパス”も計画されているとか。さらにドイツ南部最大の自然文化博物館であり、多数の恐竜の化石を保有することで有名な「ゼンケンベルク自然史博物館(Senckenberg Naturmuseum)」の拡張も予定されています。

この街の最大の特徴でもあった大学がなくなるということで、その後の街づくりに対する住民の感心度はかなり高いと言えるでしょう。十分に議論を重ね、文化と生活が混ざり合うより良い街づくりを実現して欲しいと思います。

フランクフルト
拡張が計画されているゼンケンベルク自然史博物館

石野 あやか(いしの あやか)
2006年のサッカーW杯ドイツ大会にタイミングを合わせて初渡独。国内外への交通の便の良さと、ほどよい田舎臭さを併せ持つフランクフルトから離れられなくなっている、ビールと旅行が大好きな不良主婦。
 
  • このエントリーをはてなブックマークに追加


Nippon Express ドイツ・デュッセルドルフのオートジャパン 車のことなら任せて安心 習い事&スクールガイド バナー

デザイン制作
ウェブ制作

ドイツ便利帳サーチ!

詳細検索:
都市
カテゴリ選択