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秋のディッペメス祭り

毎年春と秋の2回、フランクフルト市内のアイススケート場(Eissporthalle)前のフェスティバル広場に移動遊園地がやって来ます。普段は閑散としただだっ広いアスファルトの駐車場が、数日のうちに巨大アミューズメントパークに様変わり。毎回200万人以上が訪れるライン・マイン地方最大の民族祭(Volksfest)は「ディッペメス(Dippemess)」と呼ばれ、フランクフルト市民はもちろん、近郊の人々からも愛されている華やかなイベントです。

そんな楽しいイベントを逃す手はないと、私も遊びに行ってみることに。日本人の私は移動遊園地と聞くと、小さな観覧車やメリーゴーランドがあるくらいの小規模なものを連想してしまいますが、最寄り駅Eissporthalle/Festplatzの出口から一歩外に出た瞬間、そんな固定観念を吹き飛ばすほどの大掛かりなアトラクションに圧倒されてしまいました。絶叫マシーンが空高く舞い上がり、焼きアーモンドやチョコレートなどの甘い香りが漂う中、周囲に楽しい悲鳴と歓声がこだまします。私が訪れた日はちょうどすべてのアトラクションが半額となるサービスデーだったこともあり、平日にもかかわらず、たくさんの来場者で賑わっていました。

組み立て式とは思えないマシーン
組み立て式とは思えないマシーン

ただの移動遊園地だと思われがちなディッペメスですが、実はフランクフルト最古の伝統あるフェスティバルで、その歴史は14世紀までさかのぼります。元来はあらゆる種類の家庭用品を売買するマーケットとして出発しました。特にヴェスターヴァルトなど、陶器で有名な近郊の窯元からは、陶芸家ご自慢の壷や鍋がここに集まり、大人気を博していました。当地の方言で陶器の鍋を意味する「Dippe」が、このお祭りの名前の由来です。回を重ねるごとに徐々に規模が拡大し、今日では移動遊園地をメインに、3万平方メートルの会場に大小150以上のスタンドやアトラクションが展開する一大民族祭となったのです。

会場に足を踏み入れると、これが本当に移動可能なのかと疑ってしまうほど豪快なマシーンの数々。土台も何もないアスファルトの上に、いったいどうやって建てているのでしょうか。定番の空中ブランコからフライングカーペット、ジェットコースターや急流滑りに、昔懐かしい射的や二階建てのメリーゴーランドまで、大人も子どもも楽しめるアトラクションがいっぱい。いにしえのマーケットに思いを馳せつつ、子ども心に帰って近代的なアトラクションを思いっ切り楽しめた1日となりました。

www.dippemess.de

昔と変わらず陶器を売るお店
昔と変わらず陶器を売るお店

ユゴ さや香
2003年秋より、わずか2週間の準備期間を経てドイツ生活開始。縁もゆかりもなかったこの土地で、持ち前の好奇心と身長150cmの短身を生かし、フットワークも軽くいろんなことに挑戦中。夢は日独仏英ポリグロット。
 
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