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永遠のロングセラー ハンブルク発のニベアクリーム

寒いドイツの冬、肌を乾燥から守るために保湿クリームは欠かせませんね。ドイツのドラッグストアに行くと、さまざまなメーカーのクリームが並んでいますが、誰にでも「これぞ定番!」と思うお気に入りがあるでしょう。ドイツで最も人気なクリームの一つといえば、あの真っ青なツルツルの丸い缶に、べったり濃厚で真っ白な優れもの……そう、ニベアです!

ニベアハウスの入り口ニベアハウスの入り口

実はニベアクリームはハンブルク出身だということを、最近になって知りました。約100年前、ハンブルク市アイムスビュッテル地区にオスカー・トロプロウィッツという薬剤師がいました。彼が目を付けたのが「オイセリット」という乳化剤。これはイザック・リフシュッツ博士という科学者が開発したもので、オイセリットによって水と油を混ぜ合わせることに成功し、安定したクリームを作ることが可能に。こうして滑らかで濃厚な保湿クリームが誕生したのでした。ちなみに「ニベア」の語源はラテン語で、「雪のような白」という意味だそうです。

1911年に初めて薬局に並んだニベアは、青字で「Nivea Creme」と記した黄色のアルミ缶に詰められていました。このこってりとして白いクリームは、国内で爆発的な人気を得て、数年後には40カ国以上で売り出されるように。創業当時はバイヤスドルフ社という小さな会社でしたが、このニベアクリームによって世界的規模の会社に成長しました。その成功の裏には、トロプロウィッツのプロモーションにもあったようです。ポスターや雑誌に大きく広告を載せたり、映画やラジオなどでコマーシャルを流したりと、積極的な宣伝をしたのです。

歴史コーナーもなかなか興味深いです歴史コーナーもなかなか興味深いです

その後、1925年には黄色の缶が青い缶に変わり、白い文字でニベアと記載されるようになりました。これが今日私たちになじみのあるニベアですね。現在では、200カ国以上に市場を広げています。青い缶に白い文字というトレードマークは変わっていませんが、時代の変化に伴うニーズに合わせて、アンチエイジングシリーズや男性化粧品など、さまざまな製品が生まれました。

1950年のニベア。おしゃれなデザインがすてき!1950年のニベア。おしゃれなデザインがすてき!

ハンブルク市内には「ニベアハウス」という専門店があり、店内の一角には、その歴史に関する展示があります。初代ニベアの写真なども飾ってありました。せっかくなので、ニベアハウスで見つけた復刻版の缶のクリームを買ってみました。「1950」と書かれたレトロなデザインがかわいいです。日本へのお土産にも良いかもしれませんね。

岡本 黄子(おかもと きこ)
ハンブルグ郊外のヴェーデル市在住。ドイツ在住38年。現地幼稚園で保育士として働いている。好きなことは、カリグラフィー、お散歩、ケーキ作り、映画鑑賞。定年に向けて、第二の人生を模索中。

 
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