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日本人女性がクレープ店をオープン!

ハンブルグ大学近くのバス通りに、日本でよく見掛ける、合成樹脂で作られたクレープの食品サンプルをショーウインドーに並べているお店があります。このようなサンプルを置く店はドイツでは珍しいので、道行くほかの人々も足を止めて眺めています。お店の中に入ってみると、そこは日本人女性が経営するクレープ店、「Mimi’s Crêpes」でした。

ハンブルク
ショーウインドーに並ぶクレープの食品サンプル

ストリート・フェスティバルが行われるときは、必ずと言って良いほど見掛けるクレープの屋台。けれど、店舗を構えて営業しているクレープ店は、ドイツではほとんどないように思います。そこに目を付けたのが、このクレープ店を1人で切り盛りする井上三友紀さん。試行錯誤を重ね、和の味をドッキングさせたオリジナルクレープも開発し、提供しています。メニューを見ると、天ぷら、カレー、春巻など、お馴染みの和食名が。これらのクレープにはなんとご飯が入っていて、ボリューム満点、結構お腹にたまるそうです。もちろん、定番のデザートクレープも提供しています。

この店の最大の特徴は、希望する人にはヴィーガン(菜食主義)用クレープを提供していることです。この発想は、本格的に店舗としてオープンする前に屋台を出して試した際、「ヴィーガンでやってみたら?」という知人のアドバイスがあって、卵や牛乳を使わず、生クリームも植物性のクレープに挑戦することにしたのだそうです。ちなみにこの植物性生クリームは、日本では動物性のものよりも安価ですが、ドイツではビオのお店以外ではなかなか手に入りません。

ハンブルク
店を1人で切り盛する三友紀さん

三友紀さんは2011年の東日本大震災の後、日本で生活をしていくことに不安を覚え、知人を頼ってドイツに来ました。その後、現在のご主人と出会い、結婚することになり、「このままドイツで暮らしていくのなら、ただ漫然と過ごすのではなく、仕事をしたい」と思い立ったとのことです。そして、「ドイツ語をビジネスシーンで使いこなせるようになるまで勉強するのは大変だから、自分で飲食店を開けば何とかなるはず」と考えたと言います。もともとは言語コミュニケーションを勉強していたそうで、料理は門外漢。「別に何でも良かったんです。私にできることなら。たまたまひらめいたのがクレープだったんです」と三友紀さん。その度胸の良さには脱帽です。

とても人懐こく、笑顔で語り掛けてくれる三友紀さん。美味しいクレープを味わうだけでなく、三友紀さんとの会話を楽しみにやって来る人も多いのではないかと思いました。こんな風に自力で起業し、活躍している女性がいることに、励まされるドイツ在住日本人も多いのではないでしょうか。

井野さん井野 葉由美(いの はゆみ)
ハンブルグ日本語福音キリスト教会牧師。イエス・キリスト命。ほかに好きなものはオペラ、ダンス、少女漫画。ギャップが激しいかしら?

 
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