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ジャパンダイジェスト
Sa. 22. Feb. 2020

漫画家ウリ・シュタインと動物愛護のためのコーヒー

ドイツに住んでいる人なら、誰でも ウリ・シュタイン(Uli Stein)氏の漫画を一度は見たことがあるでしょう。風刺的な1コマ漫画で絶大な人気を誇るシュタイン氏は、実はハノーファー在住です。彼は、2018年に動物愛護団体 「緊急事態の動物のためのウリ・シュタイン財団」を設立。2019年秋からは地元のコーヒー専門店と提携し、「ウリ・シュタイン・ブレンド」を発表しました。売り上げの一部は財団に寄付され、飼い主のいない動物のために使われています。

ウリ・シュタイン氏は1946年にハノーファーで生まれ、ジャーナリストとして働きながら漫画を描き始めました。1984年からこれまで約70冊の漫画集を出版。 動物をはじめ、夫婦や子ども、年金、バカンスなど、さまざまなテーマとひねりの利いたユーモアが人気です。切手やカレンダーのモチーフにもなるほか、他言語にも翻訳され、多くの人に愛されています。

登場する動物は、イヌやネコ、ネズミ、ペンギン、ミミズなどさまざま。シュタイン氏は財団を設立したきっかけについて、「動物が好きだから。40年も描いてるしね」と語っています。支援先は大きな動物保護団体ではなく、野良猫や野良犬の保護など、地域で草の根運動を展開する小さな団体や個人が中心。これまでドイツをはじめ、ルーマニアやイタリア、スペイン、トルコなど約100の団体に財政支援をしました。

ウリ・シュタイン(左)とコーヒー店のオーナー(右)ウリ・シュタイン(左)とコーヒー店のオーナー(右)

財団を多くの人に知ってもらおうと、地元のコーヒー専門店「ハノーファー・コーヒー工房(HannoverscheKaffee Manufaktur)」と提携し、シュタイン氏のイラストが入ったコーヒー缶「ウリ・シュタイン・ブレンド」を製作。昨年11月末のブレンドのお披露目では、シュタイン氏がサイン会を開き、多くのファンが訪れました。このシュタイン・ブレンドのパッケージには、コーヒー店でネズミが「エスプレッソ持ち帰り To Go」を頼み、カラスが「持ち帰り To Fly」を注文する様子が描かれています。毎朝コーヒー缶を手に取るたびに、思わずくすりと笑ってしまいそうです。

このコーヒー店は以前もご紹介したことがありますが(本誌968号参照)、2013年に起業してから、現在は35人の従業員を抱えるまでに成長。職業訓練を受けていない人や長期失業者の受け皿になるなど、社会貢献にも努めています。 社会支援プロジェクトの一環として、病気の子どもを支援する団体「エギリオスハウス」、ストリートペーパー「アスファルト」とすでに提携し、ウリ・シュタイン財団は3つ目の提携先となります。

「ウリ・シュタイン・ブレンド」のコーヒー缶「ウリ・シュタイン・ブレンド」のコーヒー缶

私もシュタイン氏のネコの漫画集に、サインしてもらいました。 中国や韓国では翻訳出版されていますが、日本ではまだだそう。シュタイン氏は、「文化や慣習が違うので、いくつかの漫画は理解されないかな」と茶目っ気たっぷり。彼自身に子どもはおらず、動物が子ども代わりのようで、ファンが連れてきたペットを撫でるなど気さくな対応が印象的でした。

田口理穂(たぐち・りほ)
日本で新聞記者を経て1996年よりハノーファー在住。ジャーナリスト、法廷通訳・翻訳士。著書に『なぜドイツではエネルギーシフトが進むのか』『市民がつくった電力会社: ドイツ・シェーナウの草の根エネルギー革命』、共著に「お手本の国」のウソ(新潮新書) など。
 

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