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歴史あるスキージャンプの祭典「ジャンプ週間」観戦記

元旦、ドイツアルプスの麓の街ガルミッシュ=パルテンキルヘン。私は毎年ここで開催される男子スキージャンプの大会を訪れ、飛躍の1年を祈願することが常例になっています。

スキージャンプのワールドカップ(WC)は、毎年11~3月の間に欧州各国をはじめ、世界各地で行われます。特に年末年始にドイツとオーストリアで行われる4試合は伝統的な「ジャンプ週間」(Vierschanzentournee)と呼ばれ、その歴史はWC初開催以前の1952年にまでさかのぼります。特徴としては、それぞれジャンプ2本の合計点で争われる4試合の総合得点で勝者が決まること。特徴の異なる四つのジャンプ台を攻略し勝利することは、五輪で優勝するよりも難しいといわれており、大変栄誉あることなのです。

ジャンプ台から飛び立ち宙を舞うジャンパーの姿は圧巻ジャンプ台から飛び立ち宙を舞うジャンパーの姿は圧巻

この歴史ある大会で、現在優勝記録を更新し続けている選手が、北京五輪の金メダリスト小林 陵侑 りょうゆう 選手です。2018/19年シーズンにすい星のごとく現れ、WC初優勝・総合優勝を果たした同選手。この年のジャンプ週間でも優勝し、ジャンプ界に衝撃を与えました。私が陵侑選手のジャンプを初めて見たのは、まさにこの年のガルミッシュ=パルテンキルヘン。当時22歳だった同選手はレジェンド葛西選手を師と仰ぎ、欧州のジャンプファンの間でも徐々に知られるようになりました。

各国の旗を振りながらの応援でスタンドは大盛り上がり各国の旗を振りながらの応援でスタンドは大盛り上がり

あれから5年。陵侑選手は2年前の同大会で2度目の総合優勝後、3度目のタイトルを賭けて今年もガルミッシュ=パルテンキルヘンに帰ってきました。初戦のオーベルストドルフでは2位。そして第2戦ガルミッシュ=パルテキルヘンでの1本目、うまく踏み切りのタイミングと向かい風を捉えた陵侑選手は空高く舞い、137メートルの大ジャンプで単独トップに。優勝がかかった2本目も厳しい追い風の中でうまく飛んだものの、惜しくも2位に終わりました。しかしオーストリアでの第3・4戦では安定したジャンプで表彰台に立ち続け、ついに歴史ある本大会で3度目の総合優勝!! 優勝回数歴代3位の選手として歴史に名を刻みました。

ジャンプ週間の優勝トロフィー「ゴールデンイーグル」を掲げ喜ぶ小林陵侑選手ジャンプ週間の優勝トロフィー「ゴールデンイーグル」を掲げ喜ぶ小林陵侑選手

今回幸運にも私は第4戦の会場で歴史的瞬間を目の当たりにし、表彰式後の陵侑選手と握手する機会に恵まれました。ファンの「RYOYU ~」コールを背に、「気を付けて帰ってくださいね」と気遣いをみせた陵侑選手。ファンを大事にする優しさと、王者の風格を感じました。そしてチームメイトやスタッフと喜びを分かち合う姿に、チームの強い絆と陵侑選手を中心に築かれていく新しい時代が到来したのを実感しました。素晴らしい感動と勇気を本当にありがとう!

まだまだ続くWC。南ドイツでの次の試合は、2月22日から始まるオーベルストドルフでの団体・個人戦です。欧州で活躍する陵侑選手、そしてSnow Japanの選手たちを現地で・テレビで応援しませんか?

神田 浩一郎(かんだ こういちろう)
駐在員として赴任したミュンヘンで、自然や文化、人々に魅了され、2019年に完全移住。「ミュンヘン山の会」のメンバーとして月に1~2度ハイキングを企画したり、山歩きの魅力やミュンヘンでの日常生活を発信したりしている。
Instagram:@yama.trip.music_kou

 
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