旅ールのすすめ - ビールに会いに旅に出よう

山片 重嘉コウゴ アヤコ 1978年東京生まれ。杏林大学保健学部卒業。ビール好きが高じて2008年から1年半、ミュンヘンで暮らす。旅とビールを組み合わせた“旅ール(タビール)をライフワークに世界各国の醸造所や酒場を旅する。ビアジャーナリストとして『ビール王国』(ワイン王国)、『ビールの図鑑』(マイナビ)、『Coralway』(日本トランスオーシャン機内誌)など、さまざまなメディアで執筆。 www.jbja.jp/archives/author/kogo

おいしい水が造るプレミアムなビール

ビールの原料となる水・麦芽・ホップ・酵母。なかでも水は全体の9割近くを占める最も大切な原料だ。水に含まれるミネラルが多いものは硬水、少ないものは軟水と呼ばれる。ミネラル分の多少はそのままビールの口当たりに関わるほか、醸造の過程で酵素や酵母の活性に影響を及ぼす。一般的に、硬水はデュンケルなどの色の濃いビール、軟水はピルスナーなどの色の淡いビールに適している。

ドイツを含む欧州の水源のほとんどが硬水。そんなドイツ国内で、加工が不要な超軟水の水源を発見したことで世界的な醸造所へと発展したのが、ヴァルシュタイン醸造所だ。株式非公開の家族系醸造所としてもドイツ最大規模で、現在では世界60カ国以上にビールを輸出。創業以来クラーマー家が醸造所を管理し、現在は9代目のカタリーナ・クラーマー氏が経営している。

醸造所はデュッセルドルフから東へ130キロほど、人口2万5000人ほどの小さな街ヴァルシュタインの郊外にある。サッカーコート80面分という広大な敷地内には、博物館やビアガーデン、ホテルなどもあり、まるでビールのテーマパークのようだ。

ヴァルシュタイン醸造所の創業は1753年。農業を営んでいたアントニウス・クラーマーが自宅に小さな醸造所をつくったのが始まりだった。転機となったのは、1927年にアルンスベルクの森でカイザークヴェレという水源が発見されたこと。この水は超軟水で、ピルスナービールに最適だったのだ。この水に、ドイツ国内およびシャンパーニュ地方で採れた大麦麦芽、最高品質のホップを使用してビールを造り、人気を不動のものとしていった。

クリアな黄金色の液体に純白の泡。麦芽の豊かな風味を感じつつも軽やかな口当たりが、喉の渇きを癒してくれる。ピルスナーのお手本のようなきれいな味わいのビールを楽しもう。

vol.43
Warsteiner Premium Pilsener

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