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盆栽トリエンナーレ

フリードリヒ・アウグスト1世(強王)がコーゼ伯爵夫人に贈ったドレスデン郊外のピルニッツ城のオランジェリーにて6月20~22日、盆栽トリエンナーレ(Bonsai Triennale)が開催されました。ドイツ、チェコ、ポーランドの盆栽協会が主催し、2011年に初開催されたこのイベントは、今回で2回目となります。

盆栽, トリエンナーレ
盆栽がずらりと並ぶ様子は圧巻!

反りのある屋根が特徴で、随所に中国人風の絵が描かれているピルニッツ城には、18世紀に流行した東洋趣味が色濃く反映されており、毎回どこか異国情緒漂う企画展が催される傾向が強いので、盆栽トリエンナーレの会場としてはまさにぴったりの場所と言えるでしょう。オランジェリーの外側には幾何学的な造形に剪定された樹木が規則正しく並んでおり、大きな窓を通して見える盆栽と好対照をなしていました。

盆栽は、日本人にとってはご隠居老人の趣味という紋切り型のイメージがありますが、1970年代には欧米ですでに盆栽協会が発足しており、国際的には多くの愛好家がいます。世界に広まった日本の文化の中には「Sushi」のように日本人の手を離れて不思議な発展を遂げているシロモノもありますが、ここで展示されている盆栽は、日本で見慣れている盆栽そのもの。ずらりと並んだ盆栽はどれも丹精込めて作られており、それぞれが枝振りの美しさを競っていました。今回、大賞を受賞したのはチェコから出品されたヨーロッパアカマツ。「半懸崖」と呼ばれる樹形をし、提灯のように垂れ下がった枝の妙技が受賞の決め手となりました。ヨーロッパアカマツは北欧で唯一生息しているマツです。日本から持ち込まれた木ではなく、現地産の木を盆栽に用いていることは、「bonsai」が海外で根付く上で重要なカギになると思われます。

ヨーロッパアカマツ
大賞受賞作品のヨーロッパアカマツ

期間中には、「盆栽への道」という講演会も開かれ、盆栽の手入れ方法や技術を学べる貴重な場となっていました。所狭しと並べられた盆栽や様々な器の販売所も盛況で、手入れのための道具や専門書も並んでいました。日本製の盆栽用の土の大きな袋も積まれており、盆栽愛好家の層の厚さと歴史の長さを垣間見て、驚きを覚えてしまいました。

古くは坪庭や茶室、最近では携帯電話やデジタルカメラなど、極限的に小さく狭い空間に宇宙とも言える世界を創造することにずば抜けて長けている日本人の美意識や価値観は独特ですが、その1つが、ここドイツでしっかりと根付いているのだと、改めて認識させられた1日でした。

ドイツ盆栽クラブ www.bonsai-club-deutschland.com


 
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