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夏の終わりを告げる Museumsuferfest

フランクフルトで8月の最終週末に開かれる一大イベントといえば、Museumsuferfest(博物館河岸祭り)。多くの美術館や博物館が集まるSchaumainkai、通称「美術館・博物館通り(Museumsufer)」を含むマイン川両岸をメイン会場として行われるお祭りです。サマーフェスト・シーズンを締めくくるにふさわしく、毎年大勢の人が訪れるこのイベントは、1日当たりの来場者数でみるとミュンヘンのオクトーバーフェストを超えると言われています。22回目を迎えた今年は天候にも恵まれ、例年以上の盛り上がりを見せました。

このフェストの軸となる企画が美術館めぐり。Museumsbut ton(美術館・博物館ボタン)と呼ばれるバッチ(4ユーロ)を購入すると、期間中はフランクフルト内のほとんどの美術館・博物館に入り放題という出血大サービスのプログラムです。普段は入場料が10ユーロ近くかかる美術館も参加しているのでかなりお得。しかも期間中は通常より営業時間が長くなるため、仕事帰りでも余裕を持って楽しめます。地元の人も多くこの機会を利用するようで、期間中は街中のあちこちでバッチを胸に付けた人を見かけました。

そもそもこのお祭りは、美術館の宣伝活動の一環として始まりました。今から20年ほど前、フランクフルトでは多くの美術館・博物館が新築、もしくは改築されました。その際、ザクセンハウゼン地区にあった高級住宅の多くが美術館・博物館に姿を変えたそうです。それらの存在をより多くの人に知ってもらうため、お手軽な価格で来場できる機会が設けられたのです。

お祭りムードに包まれるマイン川
お祭りムードに包まれるマイン川

今ではお祭りとしての要素も多く含まれるようになり、期間中、マイン川沿いにはたくさんの屋台や舞台が設置されます。日本、タイ、スペイン、アフリカなど世界各国の料理に舌鼓を打ちつつ、ジャズやサルサ、ブルースなどの音楽に酔いしれるというのも、お祭りの醍醐味の1つ。また今回は、10月に行われるFrankfurter Buchmesse(フランクフルト・ブックフェア)のメインゲスト国である中国が、これに先駆けて伝統文化などをアピールする一幕もありました。このほか、マイン川ではドラゴンボート大会、フランクフルト市内の各教会ではパイプオルガンや合唱団によるコンサートも行われました。

そしてお祭りのフィナーレを飾ったのは、クラシック音楽とともに打ち上げられる盛大な花火。夏が終わってしまうのは名残惜しいですが、この花火で潔く夏に別れを告げ、長い冬に向けての準備を始めようと心に決めたのでした。

青空美術館も開催中!?
青空美術館も開催中!?

石野 あやか(いしの あやか)
ドイツW杯の折に渡独。初めてのドイツ、初めてのヨーロッパの地がフランクフルトでした。昼間から堂々とビールを飲める素敵な文化に魅せられて、1年間の滞在予定が、気がついてみれば3年目突入。こうなったら、次のW杯もドイツで観戦だっ!
 
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