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東京ADC アワード展

4月10日からフランクフルトの実用工芸博物館(Museum AngewandteKunst)にて、「Tokyo Art DirectorsClub(ADC)Award 2013」展が開催されています。東京アートディレクターズクラブ(ADC)とは、アートディレクターを中心に、フィルムディレクターやコピーライターなど、日本を代表するクリエーターで構成される団体。ADC展は毎年東京で行われる年次公募展で、そこでは会員全員が審査員となり、ADC会員の作品と一般公募の作品の中から、ADC会員賞3点とADC賞10点、そしてグランプリ1点を選出しています。今回の特別展では、2013年に日本で発表されたADC賞受賞作品やノミネート作品が展示されており、国外では唯一のADC展だそうです。

ADC会場
展示室には、ポスターをはじめ、広告や本の装丁、包装など幅広い媒体の作品が並ぶ

展示室には、ポスターや企業広告、雑誌や新聞広告、テレビコマーシャルなど、様々な媒体で発表された受賞作品や応募作品が並んでいます。日本に住んでいるときには単なる商品紹介の道具としか捉えていなかった広告ですが、ドイツの博物館で作品として観ると、特殊なイメージや言葉の使い方など、芸術面での美しさが際立っていました。

広告以外でも、商品の化粧箱や包装・パッケージなどが作品として展示されていました。ドイツに住む日本人としては、環境に配慮した簡易包装が当たり前のドイツで日本のパッケージデザインがどう受け取られるかを見るのも大変興味深いものでした。

こうした展示の中で、特に印象に残ったのが、ADC賞を受賞した「日田きこりめし」です。杉わっぱのお弁当箱に小さなノコギリが付いており、保存料無添加の地元食材を使って丸太に見立てたごぼうを付属のノコギリで切って食べるというお弁当で、大分県日田市で林業再生を考える集団「ヤブクグリ」が開発しました。木のおもちゃが有名で、ビオ先進国であり、森の国でもあるドイツと、地元食材を使ったお弁当と、杉わっぱのお弁当箱で地元の林業再生を訴える日本。両国の共通点と日本の独自性を同時に感じられた作品でした。

日田きこりめし
ADC賞を受賞した「日田きこりめし」

ほかにも、2013年ADC グランプリを受賞した「デザインあ」展の様子が写真と映像で紹介されていました。2013年に東京で開催されたこの展覧会は、NHKのE テレで放送中の番組「デザインあ」を基に、洞察力や創造力を育む能力「デザインマインド」をテーマにした企画展です。この番組や企画展を知らなかった私も、紹介映像を見ただけで行ってみたくなりました。

ドイツにいながらにして日本のデザインアートの今が分かるADC展は、8月17日(日)まで開催中。

実用工芸博物館 www.museumangewandtekunst.de
ユゴ さや香
2003年秋より、わずか2週間の準備期間を経てドイツ生活開始。縁もゆかりもなかったこの土地で、持ち前の好奇心と身長150cmの短身を生かし、フットワークも軽くいろんなことに挑戦中。夢は日独仏英ポリグロット。

 
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