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オーバーウルゼルの中世マルクト

フランクフルトの北隣に位置するオーバーウルゼル(Oberursel)では、毎年夏と冬に中世マルクト(マーケット)が開かれます。第1アドヴェントの週末に開催される冬の中世マルクトは、クリスマス市と同時開催なので、遊びに行ってきました。

会場となる旧市庁舎の広場に近付くにつれ、おいしそうな匂いが辺りに漂ってきます。香りに誘われるように歩いていくと、鉄パイプに貫かれ、火の上でグルグルと炙られている豚が目に入ってきました。顔も形もそのままの豚が、数頭並べて焼かれる姿は衝撃的でした。恐る恐る1人前を注文すると、分厚く削ぎ落とした焼きたての肉を、惜しみなくたっぷりとパンに挟んで渡してくれます。マスタードをつけ、豪快にかぶりついてみました。驚くほど柔らかく臭みのない肉で、うま味たっぷりの肉汁が口いっぱいに広がります。丸焼き姿にはちゅうちょしてしまいましたが、ものすごくおいしいポークサンドでした。

豚の丸焼き
豪快な豚の丸焼き

大きな肉片がゴロゴロと串に刺さった串焼き、スープや煮込み料理など、おいしそうなものがたくさんある中で、特に気に入ったのがパンです。ビオ素材を使い、昔ながらの製法とまきオーブンで焼かれたパンは、日本人好みのもちもち食感。ハーブ入りのパンを半分に切り、ベーコンやクリーム、トマト、キノコなどの具を乗せて焼いたもの、シナモンたっぷりのパン、ぶどうパンにチョコパンなど、いずれもしっとりフワフワで絶品でした。

中世の雰囲気
昔の装いで人々が行き交い、中世の雰囲気いっぱいのマルクト

中世の洋服やお香、木製品や手作りの装飾品などの雑貨屋や、食べ物の屋台が並ぶ広場は、店の人も昔の衣装を着ており、店構えや街並みと相まって中世のムード満点。マルクトでは定番の砂糖がけアーモンド菓子も、昔の衣装を着た店員さんが巨大な木じゃくしを手に大鍋の中でアーモンドを煎ってくれると、いつも以上においしく思えます。店員さんが気さくに対応してくれるのも、このマルクトの魅力です。

木製の剣や防具に色付けするアトリエ、動物の角を加工した角笛やコップを売る角屋、「龍の血」や「妖精の呪文」という名のカラフルな酒やアルコール度数70%の薬草リキュールを売る酒屋、ファーストネームの由来や起源を独自に調べて伝える「名前の伝承屋」など、一風変わった店で店員さんとお話ししながら商品を見せてもらうのも楽しかったです。

夏のマルクトはさらに出店数も多く、騎士のショーや古典音楽のコンサートもあるそうです。2月27日には第1回目となる中世音楽フェスティバルも開催予定とのことで、また機会があれば中世の気分を味わえる素敵なイベントに行ってみたいと思います。

ユゴ さや香
2003年秋より、わずか2週間の準備期間を経てドイツ生活開始。縁もゆかりもなかったこの土地で、持ち前の好奇心と身長150cmの短身を生かし、フットワークも軽くいろんなことに挑戦中。夢は日独仏英ポリグロット。
 
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