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ドイツのシニア生活を考える「むすびカフェ」

「むすび」はシニア生活をテーマにフランクフルトで活動する会です。ノルトエント=ヴェスト地区にある介護施設「Nellinistift」で、平日の午前中を中心に体操などのプログラムを支援したり、月1回、日本文化を紹介するボランティア活動をしています。同時に講演会や「むすびカフェ」という日本語のシニアカフェを開催して、安心したシニア生活を送れるよう情報交換をしたり制度を学んだりしています。

むすびカフェ
日本語での活発なやりとりと意見交換、質問に答え合うむすびカフェの様子

以前からさまざまな場所でこうした活動をしていた主催の清水クレーマー佳代子さんは、むすびの活動を通して現状を目の当たりにし、さらに在外邦人のシニア生活について考えたり学んだりするようになったそうです。2016年に公益法人化し、現在は20代から80代の人たちが登録しています。今回私は昨年の11月に行われた「むすびカフェ」に参加しました。

この日はエンディングノートをテーマに、30代から80代の参加者12人が集まりました。エンディングノートとは非常時に備えて自分の意志を書き残す書簡のことで、日本でも近年、エンディングノートを題材にした映画が作られたり、自治体が無料配布するなど注目されています。

今回が初参加の30代男性は「自分より滞在歴の長い人や、上の世代の人と知り合いたい」と、参加を決めたそうです。またドイツ滞在歴の長い60代の女性は「日本語でエンディングノートの情報を確認したい」と参加したのだとか。

施設内のカフェでケーキやお茶を囲みながら、ドイツで一般的な「Notfallmapp」と呼ばれる緊急書簡とエンディングノートの違い、法的な有効性や日独の比較など、ドイツに住む日本人ならではの視点から活発な意見のやりとりがされていました。参加するまでは遠い将来の話だと思っていたのですが、急な事故・病気などの場合や自分の親の状況を考えると、今から情報を集めたり勉強したり、日本とドイツに住む家族ともこうした話をしておく大切さを実感しました。

清水クレーマー佳代子
むすびを主催する清水クレーマー佳代子さん

むすびカフェでの情報交換は、重要でありながら当事者になるまでは実情を知りにくい老後や介護について学ぶ素晴らしい機会だと感じました。また講演会や施設でのボランティア活動を通じて、こうした問題に目を向けるきっかけにもなりそうです。次回のむすびカフェは2月25日、また3月25日は「Evangelische Zentrum」で葬儀屋を招いて、お墓についての講演が予定されています。

むすび: musubi-frankfurt.jimdo.com

ユゴ さや香
2003年秋より、わずか2週間の準備期間を経てドイツ生活開始。縁もゆかりもなかったこの土地で、持ち前の好奇心と身長150cmの短身を生かし、フットワークも軽くいろんなことに挑戦中。夢は日独仏英ポリグロット。
 
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