Hanacell

全ての人が安心して集える公益団体経営のカフェ

各地にさまざまなカフェがありますが、その多くは個人経営、あるいは企業で展開するチェーン店だと思います。ドイツでは、パン屋さんがカフェを兼ねている場合がよくありますね。今回は、キリスト教系公益団体「why not」が経営しているコミュニティーカフェをご紹介します。

ハンブルクにすでに2軒ほどありますが、今年新しく、わが家の近所の教会内にできました。彼らのコンセプトは「全ての人が共に生きる場所」であり、特に異なる文化の人々の交流の場となることを目指しています。このコンセプトは店内にも掲示されていました。カフェの責任者はエクアドル人、教会の牧師はブラジル人と、すでにインターナショナルです。

カフェ店内の様子カフェ店内の様子

さまざまなマルチ文化の企画をしたいとのことで、映画上映、ライブミュージック、朗読会やセミナーなど、「アイデアのある人は申し出てください」ととても意欲的です。特に各国料理の夕べを企画したいそうで、私が取材した日には「日本料理の夕べをやってみない?」と持ちかけられました。その国の人から料理を習い、一緒に食事をして、異文化の交流を深めようというわけです。料理教室でなくても、30名くらいまでの規模で何か催しを企画したい人におすすめできます。

世界地図をバックにした物販コーナー世界地図をバックにした物販コーナー

公益団体は文字通り、公の利益のために活動しますので、その団体が利益を上げてはいけません。カフェで働いている人も、多くはボランティアとのこと。それもあって、普通のカフェよりお手ごろ価格となっているようです。夏の間は、アイスクリームが提供されていましたが、ドイツのアイスは結構盛りが良いので、小さな子どもだと、こぼしてべとべとになることも。そこで、ここでは子ども用に小さめサイズが設定されていました。子どもは小さめ、ママやパパは普通サイズということで、たくさんの親子連れがアイスを買うために並んでいました。

通りから見たwhy not。テラス席もあります通りから見たwhy not。テラス席もあります

9月から毎週水曜日限定で月替わりのランチメニューが始まりました。なんと、その日は牧師が特別に料理するそうです。その名も「平和メニュー」。紛争のある2国を選んで、その両国の料理を一つのお皿で提供するとのことです。一緒に食事をするのは和解のしるし。平和への願いが込められています。最初の月はイスラエルとパレスチナが選ばれていました。明確なコンセプトを持って運営されているカフェならではの企画ですね。周囲の人に認知され、文化交流の場として広く利用されていってほしいです。

why not:http://why-not-integration.org/#cafe

井野 葉由美(いの はゆみ)
ハンブルグ日本語福音キリスト教会牧師。イエス・キリスト命。ほかに好きなものはオペラ、ダンス、少女漫画。ギャップが激しいかしら?
www.nd-jcf.de
www.facebook.com/ndjcf

 
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