ドイツに住み始めてから、「ご自由にどうぞボックス」やのみの市などで、古い食器や家具を手に入れて使う機会が増えました。特にライプツィヒでは、旧東ドイツ(DDR)時代の製品や、くるみ割り人形をはじめとするザクセン地方ゆかりの工芸品などを多く手に取ることができます。
雑多に置かれたブースの中にお宝があるはず!
さて、本誌1169号の特集「アンティークマーケットに出かけよう!」でもご紹介しましたが、アンティーク好きな方にぜひ一度訪れてほしいのが、ライプツィヒのメッセパークで毎月最終土日に開催されている「アグラ・アンティークマルクト」です。約90ヘクタールの広大な敷地には、それぞれ約5000平米のホールが二つあり、野外エリアと合わせて毎回1000を超える出店者が軒を連ねます。なお、出品は中古品に限られており、新品の販売は禁止されています。
4月最後の日曜日、特に予定もなかったのでふらりと出かけてみました。よく晴れた日だったこともあり、野外エリアはいつもより出店数が多く、にぎわっていました。家具やインテリアをはじめ、古いおもちゃ、楽器、古書や絵画などが所狭しと並んでいて、見て回るだけでもわくわくします。
ザクセン州の工芸品もよく見かけます
あくまで私見ですが、ホール内の出店者の方が、商品をきちんと手入れしたり、美しく陳列していたりする印象があり、値段もやや高めの傾向です(もちろん例外もあります!)。そのため私はいつも、まずは野外エリアをじっくり歩いて掘り出し物を探します。疲れてきたら、二つのホールの間にある休憩エリアで軽食を取ったり、お手洗いを利用したり。ちなみに野外にもさまざまなフードスタンドがありますが、行列ができていることも多いので、ホール内の食堂の方が比較的空いている印象です。その後はホール内で古本や紙製品を眺めたりしながら、再び野外エリアに戻る……というのが、いつものルーティンになっています。
ホールの中もかなりの出店数です
マルクトは朝7時~午後3時ごろまで開催されていますが、プロの業者たちは早朝から買い付けに訪れるそうです。そのため「早い時間の方が掘り出し物に出会えるのでは!?」と思いつつも、休日はなかなか早起きできず、私はだいたい10時ごろに到着して、15時までゆっくり過ごすことが多いです。ですが、マルクトの終盤まで粘っていると、思わぬお得が待っていることも!日曜の閉場間際になると、「テイクフリーコーナー」が登場します。出店者が帰りの荷物を減らすために設けているのだと思いますが、意外にもここに掘り出し物が集まってくるのです。私は以前、ここでほぼ未使用のタイプライターを手に入れました。
直近のアンティークマルクトは5月24日(土)・25日(日)、6月28日(土)・29日(日)とのこと。初夏の過ごしやすい気候の中で、ぜひアンティークマルクトをお楽しみください。
三重県生まれ。ベルリン、デュッセルドルフを経て、現在はライプツィヒ在住。日本とドイツで芸術学・キュレーションを学び、アートスペースの運営や展覧会・ワークショップの制作などに従事。2019年からドイツニュースダイジェストの編集者。