ライプツィヒ東部には、「日本の家」という文化交流施設があります。私の子どもが大きくなり、夜の集まりにも参加しやすくなったことから、昨年からアート会合やごはんの会に頻繁に参加するようになりました。なかでも、ほぼ毎月参加しているのがアート会合です。この会合をきっかけに、日本にゆかりのあるアーティストやクリエイターを迎える「クリエイティブ・レジデンス」が今年から再開しました。このことは、本誌1258号の本コラムでも紹介しています。
国吉晶子さんのアーティストトーク
早いもので、当時は参加者を募っていたレジデンスプログラムが春に始まり、今ちょうど1年の折り返し地点を迎えています。これまでに滞在したのは、高知から来た画家の国吉晶子さんと、大阪を拠点に時代劇や映画を中心に活動する俳優の小川惇貴さん。現在は写真家の一色彩未さんがライプツィヒでの制作に取り組んでいます。
先日、一色さんの展示のオープニングが行われました。日本の家では、ライプツィヒで過ごしながら撮影した「人やもの、時の流れの気配が残された写真」が展示されています。ライプツィヒに滞在中は、リサーチや制作、パフォーマンスをしつつ、毎週木曜と土曜に日本の家で開催されているごはんの会(Küfa)にも参加。ここでは、出身地の料理や得意料理も披露してもらっています。どれか一つを選ぶのは難しいのですが、私が一番感動したのは、国吉さんが高知から持ってきた食材で作った田舎ずしでしょうか。素朴で滋味深い味わいに感動していたら、自作のミョウガの漬物までいただいてしまいました! 小川さんは子どもたちにも人気で、うちの子どももお別れ会で木刀を握って遊んでもらいました。
小川惇貴さんは子どもたちにも大人気
日本の家のレジデンスプログラムは、渡航費や宿泊費などはアーティスト負担となります。それでも大きな魅力があるのは、単に制作・展示のための場所を提供されるだけではないからでしょう。国際色豊かでディープなライプツィヒ東部のアイゼンバーン通りに滞在し、さまざまな活動を通じて地元の人たちと交流する。そして一緒に食卓を囲む中で、日本の日常を離れ、制作のインスピレーションを得られるところが魅力だと感じています。地元に暮らす私たちも刺激を受け、楽しい時間を過ごしています。
一色彩未さんのモノクロの写真作品
そして、早くも2027~28年のレジデンス参加者の募集も始まっています。滞在期間は2カ月〜1年間を基本としており、ドイツ在住者も、日本にゆかりのあるテーマや自身のルーツを背景に制作している方であれば応募可能です。ぜひ日本の家のウェブサイトをチェックしてみてください。
IT系の翻訳者・プログラマー。オーストリア、インドを経てドイツへ。ライプツィヒには2016年より在住。三度の食事と、手に入らない食材を自分で育てるのが何よりの楽しみ。古巣のアート分野に戻りつつある。



インベスト・イン・ババリア
スケッチブック




