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Mi. 25. Nov. 2020

ゴシックの祭典

1992年から毎年ライプツィヒで開かれている世界最大のゴシックの祭典「ウェーブ・ゴシック・フェスティバル(Wave-Gotik-Treffen)」が、今年も五旬節(Pfingsten)の4日間(5月17~20日)に開催されました。このイベントに合わせ、ドイツの他都市からだけでなく、世界各地から黒い衣装を身にまとったゴシック愛好者と、それを見にくる観光客、合わせて2万人以上がライプツィヒに押し寄せます。この祭典は、92年以前に開催されていたゴシック・ロック音楽祭が発展したもので、市内50カ所以上の会場で200を超えるゴシック音楽のコンサートや朗読会などのプログラムが開催されます。市街地は黒い衣装の人たちでごった返し、英語やフランス語、イタリア語など様々な言語が飛び交います。

ゴシック愛好者
ヴィクトリア朝時代のファッションスタイルを表現したゴシック愛好者

ゴシックの祭典がスタートした当初、黒い衣装の人たちが溢れる様子に戸惑っていた市民からも、現在では重要な観光収入源として認知され、多くの店舗のショーウィンドウも「ゴシック風」に彩られます。市内のホテルはどこも満室となり、レストランもタクシーも期間中は多忙を極めます。

ゴシック文化の起源は、1980年代初頭に英国で発展したゴシック・ロック(パンクの一派)のサブカルチャーとされています。そしてゴシック・ロック・シーン自体が衰退した後も、ヴィクトリア朝時代(1837~1901年)の文化に影響を受けたファッションや美術、ホラー映画へと、多様な発展を遂げていきました。黒を基調としたファッションと一言で言っても、ロックやパンク系からヴィクトリア朝時代の新ロマン主義の装いまで、そのスタイルは多岐に渡ります。さらに、ゴシックのファッションは暗く病的、かつエロティックで、黒い衣装は「死」をイメージしています。イベントでは墓地ツアーが開催されたり、この日のために霊柩車を手配して移動したりする人たちまでいました。

ゴシック愛好者の列
入場券購入に並ぶ“黒い”ゴシック愛好者の列

ゴシック愛好者は皆、思い思いの衣装で市街地を歩き、観光客に写真撮影をねだられながら、まんざらでもない表情で好意的にポーズを取ってくれました。ヴィクトリア朝時代のファッションを装った人たちは、服装だけでなく日傘やピクニック用のワゴンまで、当時の装いに合わせた凝りようです。それぞれが工夫を凝らした装いを披露する一方で、一部にはナチス時代のユニフォームと酷似した格好の人たちもいて、彼らには非難が寄せられていました。

ゴシックの祭典が開催された4日間は、ゴシック愛好者たちがまとった「黒」によって、いつものライプツィヒの風景が違ったものに感じられました。

Wave-Gotik-Treffen:
www.wave-gotik-treffen.de

ミンクス 典子
福岡県生まれ。東京理科大学建築学科修士課程修了後、2003年に渡欧。欧州各地の建築設計事務所に所属し、10年に「ミンクス.アーキテクツ」の活動を開始。11年よりライプツィヒ「日本の家」の共同代表。www.djh-leipzig.de
 
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