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文化活動家ミヒャエル・バーニンガー

ライプツィヒで文化や芸術活動に携わる人たちにとって、ミヒャエル・バーニンガー(Michael Berninger)は大変重要な人物です。彼は「カルチャートリガー (culturtraeger)」という印刷会社の代表取締役を務める傍ら、同市のガーデニングプロジェクトを率いています。

ミヒャエル・バーニンガー氏

今年52歳を迎える
ミヒャエル・バーニンガー氏

同性愛者であることを公言している彼は、旧東ドイツ(DDR)時代、支配的な独裁政権による激しい弾圧を受けながらも、積極的に市民活動を行った人物。同性愛者の巣「ローザリンデ(RosaLinde)」を立ち上げ、ベルリンの壁が崩壊した後には、地域情報誌「レオ(LEO)」を創刊し、その後は雑誌「クロイツァー(kreuzer)」の発行責任者として設立メンバーに加わりました。このように、様々な文化活動に関わっているバーニンガー氏は、次のように語ります。「政治的な構造から離れたところで活動することに、とても興味があります」「自分で新しい活動を立ち上げ、ほかの人たちと協力して、機会があるたびに自分の意見を公表するのです。政治的な抗議運動を続けることは大変困難なことですが、私はクリエイティブな分野でアイデアを生み出し、発展させていくようにしています」。

バーニンガー氏が率いるガーデニングプロジェクトのツアー
バーニンガー氏が率いるガーデニングプロジェクトのツアー

ここ数年、ベルリン・クロイツベルク地区のモーリッププラッツ駅近くに登場した市民農園「プリンセスガーデン(Prinzessingarten)」が発端となって、国内各地に「アーバン・ガーデン(都市農園)」が広まっており、ライプツィヒもその例外ではありません。その牽引役として、バーニンガー氏は大きな役割を担っています。1990年代にエルベ川流域の植物園を訪れて魅了されたという彼は、当時ライプツィヒにはまだ存在していなかった、暫定土地利用(空き地の有効利用)による都市農園やガーデニング運動を盛り上げるため、様々なアプローチを試みました。その成果が、アナリンデ(Annalinde)やクヴェアビート(Querbeet)のようなガーデニング運動に繋がっています。ベルリンの壁崩壊の前後を経験している彼からすると、89年の市民運動と比べて現在の活動家たちは模範的で、公的な仕組みに背いた行動をしないと言います。「それは、活動を軌道に乗せ、場所の確保と公的支援制度のバランスを保つために必要なことだと思います。大切なのは、自発的な活動と公的援助が可能な状況を維持することです」。

バーニンガー氏は、自ら楽しみながら仲間と共に積極的な文化活動を展開し、次世代の若い活動家たちにも支援の手を差し伸べています。

culturtraeger:www.culturtraeger.de
ライプツィヒのガーデニング・プログラム
www.garten-leipzig.net

ミンクス 典子
福岡県生まれ。東京理科大学建築学科修士課程修了後、2003年に渡欧。欧州各地の建築設計事務所に所属し、10年に「ミンクス.アーキテクツ」の活動を開始。11年よりライプツィヒ「日本の家」の共同代表。
www.djh-leipzig.de
 
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